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厚生労働省はこのほど、本年度の目標を発表しました。このなかで、「平成23年度に重点を置く施策」として全10項目が挙げられています。主な施策は下記のとおりです。
● 社会保障改革について
政府全体としての現下の最重要課題である震災・原発事故対策の障害にならないよう最大限の配慮をしつつ、社会保障と税の一体改革を進めるなかで閣議決定を踏まえて検討を進める。
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社会保障改革の基本原則に基づき、「医療・介護」「年金」「就労促進」「貧困・格差」「子ども・子育て支援」等の分野について検討を進め、あるべき社会保障の姿・方向性を取りまとめる。 |
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そのうえで、関係者と連携し政府一体となって、社会保障の安定・強化のための具体的な制度改革案等を取りまとめるとともに、その実現に向けて取り組む。また、社会保障・税に関わる番号制度についても、政府全体の取り組みに併せて、厚生労働省としてもその実現に向けて取り組む。 |
● 安心できる年金制度の構築
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新たな年金制度について、平成25年の法案提出に向けて具体的な制度設計の検討を進めるとともに、現行制度の改善についても検討し、国民的な合意形成を図ったうえで実現をめざす。 |
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年金記録問題に対して、紙台帳とコンピューター記録つき合わせ、ねんきんネットの充実、年金手帳に関する調査の実施等の取り組みを進める。 |
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第3号被保険者の不整合記録問題について、第177回通常国会への関連法案の提出に向けて、抜本改善策についての具体的な検討を行うとともに、不整合記録の実態把握や新規発生防止のための方策を検討し実施する。 |
● 雇用・労働対策について
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新卒応援ハローワークやジョブサポーター、企業への奨励金等により、今後とも1人でも多くの新卒者が就職できるよう、労働局・ハローワークが総力を挙げて支援を進める。 |
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雇用保険を受給できない方に対するセーフティネットとして、「求職者支援制度」を創設しその的確な運用に努める。また、雇用保険について、労働者の生活の安定、再就職の促進等を図るための機能強化を進める。 |
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新成長戦略に掲げられた、最低賃金引き上げに関する目標「全国最低800円、全国平均1,000円」の実現に向け、中小企業への支援を行うとともに、労使関係者との調整を図りつつ取り組みを進める。 |
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労働災害の防止に全力を挙げるとともに、職場のメンタルヘルス対策の強化、受動喫煙による健康障害防止等を図るため、労働安全衛生法の改正に向けた作業を進める。また、過労死等の危険を高める長時間労働の抑制を図る。 |
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有期労働契約の在り方について議論を進め、本年12月ころまでに結論を得る。 |
今後の具体的な取り組みに注目していきたい。
出所:厚生労働省ホームページ
(特定社会保険労務士 野上 幸彦)
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