> 今週のトピックス > No.2235 |
![]() |
「甲状腺機能低下症」告知における留意点 | ||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]()
前回(2227)の甲状腺機能亢進症に続き、今回は甲状腺機能「低下」症についてお話しします。
甲状腺は首の前面にある器官で「人体のエネルギー代謝や循環内分泌機能を調節するホルモンを分泌する」というお話しをしましたが、「甲状腺機能低下症」では何らかの原因で甲状腺ホルモン分泌が低下するため、全身でエネルギー利用が低下し、神経系、心臓、代謝など各器官の働きが低下してしまいます。 最も多いのが「橋本病」で、甲状腺を破壊する抗甲状腺抗体が産生される自己免疫疾患で、慢性甲状腺炎ともいわれ、中年女性に多く発症します。 ![]() ● 分類(主なもの)
![]() ● 自覚症状
全身がエネルギーを利用できないので、非常に多彩な症状があります。
![]() ● 治療
一時的なもの以外は、薬物療法として、チラージンなどの甲状腺ホルモンを正常値になるまで徐々に増量し、その後は一生服用することが多いです。
![]() ● 予後
前述のように症状が非常に多彩なため診断が遅れ、意識消失、昏睡、心不全等致死的な合併症を起こすこともありますが、いったん正確な診断がされれば、甲状腺ホルモンを服用し続けることで予後は良好な疾患です。
![]() ● ご契約をいただく際には
一過性のものを除いて、現在治療中と告知されるお客さまが多いのではないかと思います。現在治療中の場合、治療開始からの経過期間により死亡保険は保険料割増等の条件付きで、医療保険は部位不担保での加入となることが多いでしょう。
既往症については一般的には少ないですが、完治後の経過期間により一過性だった場合には死亡保険は標準体、医療保険は標準体〜部位不担保での加入が可能でしょう。 お客さまが甲状腺摘出手術を受けている場合で、悪性疾患が疑われる場合には病理診断書の提出を求められることがあります。より詳細に告知をいただくことをおすすめいたします。 ![]()
(上田香十里 株式会社査定コンサルティング代表)
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
2011.05.23 |
![]() |
|