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環境省「スーパークールビズ」開始
●  環境省が推進する「スーパークールビズ」とは?
  東日本大震災を受けた節電対策のため、環境省は職員にノーネクタイや上着なしでの勤務を推奨する現行のクールビズを強化し、ポロシャツやアロハシャツ、Tシャツの着用も許容する「スーパークールビズ」に取り組む方針を明らかにした。
  「スーパークールビズ」とは、報道発表資料によると、従来から訴求している「室温28℃」や「ノー上着」といったクールビズをさらに徹底し、日常のさまざまな工夫で快適に過ごすための取組である。
  環境省は、このスーパークールビズを推進しているが、今後企業側がこれらをどこまで受け入れるのか、注目していきたい。
●  従来のクールビズとの違いは?
  環境省は、平成17年の夏より、冷房時の室温を28℃にしてもオフィスで快適に過ごせる「クールビズ」をこれまで提唱してきた。今年の夏はさらに強化し、スーパークールビズにするということで、かなり気合が入っているようにみえる。
  しかしながら、従来のクールビズとの違いはどこにあるのかが気になる。従来のクールビズは、ノーネクタイにノージャケット、半そでシャツなどが基本で、チノパンも認められていた。今回は、例年以上の軽装を職場に促し、冷房の使用を減らして節電を徹底しようとした結果、新しい基準ができあがったようである。同省によると、スーパークールビズではポロシャツ、アロハシャツ、スニーカーやサンダルも認める方針である。Tシャツとジーンズも着用可能だが、Tシャツは執務室内に限り可で「無地か柄が派手でないもの」などという要件も加えている。一方でビーチサンダル、短パン、ランニングシャツは認めないことになっている。
  かなりカジュアルな服装でも可としているが、ジーンズは涼しくなるわけではなく、逆に暑くなるのではないかという意見も一部からあがっており、この基準の設定については異議をとなえる人もいるようである。
●  服装基準は、社員だけでなく取引先関係者にわかるように
  企業は、これらの発表に対して、現実には昨年と変わらないといったところが多いようで、ノーネクタイ、上着なしでの勤務を認めている程度のことで、それ以外は通常と同じようである。服装よりも、サマータイム制度や変形労働時間制などで節電に努めている企業も多く、服装の軽装だけでは限界があるように思われる。
  大事なことは、企業が自社の服装基準を発表し、社員に対して通知することである。また同時にクライアントや来客に対してもクールビズを導入していることがわかるような案内を出すことも非常に重要である。
  いずれにしても著しく不快感を与えるような服装でなければ、問題になるケースは少ないが、近年さまざまな価値観をもつ人が増えていることを考えれば、明確な基準を示すほうが望ましいのはいうまでもなく、いち早く取り組むべきといえるだろう。

参考:環境省 http://www.challenge25.go.jp/practice/coolbiz/coolbiz2011/
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2011.06.06
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