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労働、年金、医療、介護〜主な特別措置(1)
  東日本大震災からの早期復旧に向けた、平成23年度第一次一般会計補正予算が5月2日に成立しました。
  雇用・労働関係では1兆1,130億円(内、特別会計から1兆616億円)を計上し、雇用調整助成金の拡充や就労支援の強化が実施されます。また、社会保険料の免除など、法律改正が必要な特別措置は立法措置で対応します。
  今回と次回の2回にわたり、主な特別措置について説明いたします。まず今回は、労働関係です。
● 雇用保険の延長給付の拡充
  東京都を除く災害救助法の適用地域(特定被災区域)の事業所に雇用されていた人は、震災の影響により就職が相当困難であることから、給付日数をさらに延長する。具体的には、特定被災区域の事業所で働いていた人で、震災で失業・休業状態を余儀なくされた場合に受けられる雇用保険の基本手当については、現在も原則60日分の個別延長給付が受けられるが、さらに60日分の個別延長給付が受けられる。
● 労働保険料の免除
  平成23年3月11日に適用事業所が特定被災区域にあり、震災被害で賃金支払いに著しい支障等が生じている場合、その期間(最長で平成23年3月〜24年2月まで=免除対象期間)の労働保険料および一般拠出金について免除が受けられる。
● 労災保険の特例
  労災保険の遺族(補償)年金など、死亡を支給事由とする給付について、東日本大震災で行方不明となった人の生死が3カ月間わからない場合または3カ月以内に死亡が確認できたものの死亡時期がわからない場合は、同日に死亡したものとして支給する。
● 雇用調整助成金の拡充
  雇用調整助成金、中小企業緊急雇用安定助成金は、被災地域の事業主やその事業主と一定規模以上の経済的関係がある事業主を対象に、つぎの措置を実施する。
(1)  これまでの支給日数に関わらず、平成23年3月〜24年2月(=特例対象期間)までに開始した休業について、最大300日間助成金の対象とする
(2) 被保険者期間6カ月未満の人を対象とする今年7月までの暫定措置の延長
● 特定求職者雇用開発助成金の拡充
  「特定求職者雇用開発助成金」を拡充し、被災離職者および被災地域に住む求職者を雇用した事業主を対象に50万円(中小企業90万円)が受けられる。
● 震災による離職者への職業転換給付金の支給
  災害救助法適用地域の被災離職者および被災地域に住む求職者等が、求職活動や就職に伴って転居する際に、「広域求職活動費」(交通費実費・宿泊費)、「移転費」(交通費実費・移転料等)が受けられる。また、被災離職者等が職業訓練を受講する際に「訓練手当」等が受けられる。
参考:厚生労働省HP

(特定社会保険労務士 野上 幸彦)
2011.06.13
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