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新型投資商品ETN登場
  東京証券取引所は年内をめどに、国内・海外の株価指数・商品指数などに連動する新型証券ETN(上場投資証券)の上場を解禁する予定だ。
●  商品性
  「ETN(Exchange Traded Note)って何だろう?」と思われた方も多いのではないだろうか。
  ETNはETF(上場投資信託)と似ているが、株価指数、商品指数や通貨などの特定の指数に連動する債券をいい、現物資産の裏付けが必要ないのが特徴。そのため、ETFとして運用しにくいような指標に対してもETNなら商品化することができる。例えば、国外の投資家が投資できない商品や通貨にも投資できるようになり、希少金属のレアメタルや海外投資家が投資できない人民元などへの投資も可能となる。また、上場しているため、株式と同じように売買できることも大きな特徴である。
  ETNは比較的に新しい商品で2006年に米国で初めて上場された。米国以外では、イギリス、ドイツなどで上場されている。
  東京証券取引所では、本来4月に上場が解禁され、5月に1本目が上場する予定であったが、商品性やシステム構築に時間がかかり、延長されることになった(年内には上場する見通し)。
●  リスク
  ETFと商品性は似ているが、ETFとは異なり、裏付けとなる資産がないため、発行体の倒産リスクがある。このため、ETNの発行には、厳密な審査が必要とされている。ETNを発行する金融機関の経営状態によっては、投資資金が全額戻らないこともあるため、投資する際には、連動する商品より発行体の経営状態を重視したほうがよいと思われる。
●  投資する時期
  投資家のポートフォリオを検討する場合には、通貨やコモディティ(商品)は欠かせない投資商品となり、経済大国2位の通貨人民元や希少価値の貴金属に投資できることは大変魅力的であるが、上場当初は買い手が多く、売り手が少ないため、一方通行となり、割高となる可能性がある。その結果、高い値段で購入してしまうということもなきにしもあらず。少なくとも上場後3カ月から半年経って、落ち着いたころに購入するようにしたいものである。
(株式会社FPウィム 代表取締役 伊田 賢一)
2011.06.13
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