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お金を持っている高齢者世帯は増え続けています
  厚生労働省より「平成22年国民生活基礎調査の概況」が発表された。
  調査によると、我が国の世帯総数は約4,863万8千世帯ということだが、その内訳をみると高齢社会の急速な進行がひしひしと伝わってくる。
●  高齢者世帯数は平成の21年間で3倍以上に!
以下の表は、平成に入ってからの世帯構成の変化をピックアップしたものである。
  
【世帯構成の推移】 (単位:千世帯)
  
  平成元年 平成10年 平成22年
全世帯 39,417
(100%)
44,496
(100%)
48,638
(100%)
夫婦と未婚の子
のみの世帯
15,478
(39.3%)
14,951
(33.6%)
14,922
(30.7%)
高齢者世帯 3,057
(7.8%)
5,614
(12.6%)
10,207
(21.0%)
  高齢者世帯とは、定義上「65歳以上の者で構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯」をいうが、簡単にいえば「世帯主が高齢者の家」のことだ。
  その数が、平成元年の約306万世帯から約1,021万世帯へと、平成に入ってからの21年間で実に3倍以上にも増えている。同じ期間で「夫婦と未婚の子のみの世帯」つまり「子育てしている世帯」がまったく増えていないのと比較すると、その違いは歴然としている。今や5軒に1軒が高齢者世帯となっているのだ。
●  高齢者層は生活に比較的ゆとりがある
  それでは、それぞれの生活実感はどうなのだろう。
  同じく国民生活基礎調査の結果なのだが、「児童のいる世帯」の約2/3が「生活が苦しい」と感じているが、高齢者世帯ではその割合は半分ほどでしかない。
  
【生活意識別に見た世帯数の構成割合】
  
  苦しい 普通 ゆとりがある
全世帯 59.4% 35.8% 4.8%
高齢者世帯 51.5% 44.0% 4.5%
児童のいる世帯 65.7% 30.1% 4.1%
  さすがに「ゆとりがある」という占率は少ないものの、子育てしながら税金や社会保険料を支払っている現役世代には生活の余裕がなく、高齢者は「貯金もあり、借金も少ない」という余裕を持った生活を送っていることがわかる。
  
【平均貯金額と平均借入金額】
  
  平均貯金額 平均借入金額 差し引き
全世帯 1,078.6万円 441.7万円 636.9万円
高齢者世帯 1,207.1万円 91.7万円 1,115.4万円
児童のいる世帯 793.9万円 867.4万円 ▲73.5万円
●  相続対策の必要性を訴えるのが我々の使命?
  地域活動を主体とする生保営業職員が「どこへ行ってもお年寄りばかり…」とぼやいているということを耳にする。確かに、被保険者としては保険料も高く、健康状態も思わしくない人も多いため、死亡保障・医療保障の見込客としては厳しいものがあるだろう。
  しかし、お金を持っているということは「相続対策」を考えなければいけないはずである。「納税対策」のほかに、子どもも「ひとりっこ」でないケースが多いであろうから「遺産分割」の問題も抱えているはずである。
  なにも対策をとらずに高い相続税を支払うのと、事前に対策を打つのでは、どちらが高齢者のためになるかは言うまでもない。増税の機運の高い今、高齢者の方々に「相続対策の必要性」の意識を植え付けることができるのは、地域に根ざし、地道に訪問活動を継続している生保営業の皆さましかいないだろう。高齢の方々の心を開くことができるのは、皆さんの毎日の一生懸命な姿のはず。日中の在宅率も高いであろうから、時間をかけて相続対策の必要性を広めて欲しい。
データ出典元:「厚生労働省(平成22年国民生活基礎調査の概況)」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/
2011.08.01
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