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e-Tax利用に関するアンケートを実施 〜国税庁〜
●  所得税確定申告提出者の3人に1人がe-Taxを利用
  e-Tax(国税電子申告・納税システム)は順調に利用者を増やしている。
  例えば、2010年分所得税等の確定申告においては、全国拡大後7回目の確定申告となるe-Taxは、(1)最高5,000円の税額控除、(2)添付書類の提出省略、(3)書面提出に比べ還付金を早期還付、などのメリットを積極的に広報するなどの普及拡大に努めた結果、所得税の申告件数が、前年の707万9千件から774万7千件へと9.4%の増加となった。
  これは、所得税の確定申告書の提出人員約2,315万人の3人に1人がe-Taxを利用したことになる。
●  e-Tax利用の理由、「税務署等へ行く必要がない」
  国税庁が今年2月から5月にかけて実施した「e-Taxの利用に関するアンケート」結果(有効回答数5万8028件)によると、利用しようと思った理由(複数回答)は、「税務署や金融機関に行く必要がないから」と答えた人が全体の76.9%ともっとも多く、次いで「税務署の閉庁時間でも申告書等の提出(送信)ができるから」が62.5%となった。
  以下、「ペーパレス化が図られるから」(55.1%)、「パソコン(インターネット)を有効活用したいから」(48.7%)、「書面での手続きに比べ負担(感)が軽減されるから」(47.4%)が挙げられた。
  積極的にメリットとして広報している「電子証明書等特別控除制度を受けることができる」(36.3%)や「e-Taxで還付申告した場合、還付処理が早い」(35.4%)、「所得税申告について、第三者作成書類の提出を省略できるから」(30.4%)などは意外にその後のランク付けとなった。
●  利用した手続きでは「所得税申告」が圧倒的に多い
  e-Taxや確定申告作成コーナーを知ったきっかけ(複数回答)については、「国税庁ホームページ」との回答が58.5%と約6割を占めてもっとも多く、次いで「税務署からの案内文等」が33.0%、「テレビ・ラジオ」が27.8%で続く。
  また、実際に利用した(利用予定)手続き(複数回答)では、「所得税申告」が実に93.7%と圧倒的に多く、次いで「消費税申告」が12.7%、「申請・届出手続き」が6.4%の順だった。
  一方、e-Taxの利用しやすさについては、「とても利用しやすかった」「利用しやすかった」の回答率が「申告等データの入力・作成」(62.7%)や「電子署名の付与・送信」(64.2%)で6割を超えている半面、「ヘルプ機能・よくある質問」に関しては38.8%にとどまるとともに、「手間取った」「非常に手間取った」が21.5%と比較的多く、e-Tax普及のためには、このあたりの改善が国税当局に求められそうだ。
●  2012年分まで延長されている電子証明書等特別控除
  なお今回の調査では、回答者からの要望に対し当局の回答を掲載しているが、そのうちの一つ、「電子証明書等特別控除を毎回できるようにしてほしい」との要望に対し、「同特別控除は国の手続きのオンライン利用を進めるため、これに必要な電子証明書等の取得を支援する観点から創設された制度」と説明。「現在は、適用期間内の所得税確定申告において、いずれか1回のみ適用できることとなっており、2011年度の税制改正において、適用期間が2012年分の所得税確定申告まで延長された」と回答している。
  控除限度額は、2010年分までの5,000円から、2011年分は4,000円、2012年分は3,000円と引き下げられている。年1回のみの適用なので早めに利用したほうがメリットが大きいのは言うまでもない。
※国税庁「国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用に関するアンケート結果」より試算
参考資料:http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topicse22.pdf
(浅野宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)

※タックス・コム発行図書 「中小企業のための生命保険講座(経営者編)」など
→  http://www.taxcom.co.jp/h22_seimeihokenkouza/index.html
2011.08.22
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