> 今週のトピックス > No.2292 |
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FX課税、平成24年から申告分離課税に一本化 | |||||||||
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![]() ● FXにまつわる3つの話題
最近、外国為替証拠金取引(以下FX)が話題に上ることが多い。主な話題は3つある。
1つは、まず円高である。8月に入ってから、円高の動きが急速に加速し、8月22日現在、円ドル相場は1ドル76円台で推移しており、戦後最高値の水準になっている。FX取引をされている方には、大きな影響があると思われる。 2つ目は、レバレッジ規制である。8月1日からFX取引に対するレバレッジ規制がさらに強まり、最大証拠金倍率が25倍に引き下げられている。 3つ目は、税制改正である。先日6月30日に平成23年度税制改正の一部が施行され、所得税におけるFX課税についての改正が決定した。 今回は、この3つ目の話題について解説する。 ![]() ● これまでのFX課税の仕組み
FXには、「店頭取引」と「取引所取引」の2種類がある。どちらも「雑所得」に該当するのだが、これまでは、この2種類のFXに対してそれぞれ別の課税方式が適用されていた。
「店頭取引」のFXに対しては、総合課税が適用されていた。この場合、FXによる雑所得は他の所得と合算される。FX取引で利益が出ており、かつ他に多額の所得がある場合には、高率で課税されてしまうデメリットがあった。 一方、FX取引で損失が発生した場合には、他の所得との通算は認められないが、雑所得内での損益通算は可能となっている。ただし、取引所取引による利益との通算はできず、損失の繰越しはできない。 「取引所取引」の場合には、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税が適用され、他の所得の有無に関わらず、一律20%課税(所得税15%住民税5%)が適用されている。また、FX取引で損失が発生した場合には、他の所得や通常の雑所得内での損益通算はできないが、「先物取引に係る雑所得等」の金額とは損益通算することができる。通算しきれなかった損失の金額は、一定の要件を満たせば3年間の繰越しが認められている。 ![]() ● 平成24年から「取引所取引」方式に一本化
上記の取扱いが、平成23年度税制改正において改正されることになった。
具体的には、これまで「店頭取引」と「取引所取引」で別々だった課税体系が、「取引所取引」の課税体系に一本化されることになる。つまり、「店頭取引」についても申告分離課税、「先物取引に係る雑所得等」との損益通算、損失3年繰越が適用されることになる。 改正は、平成24年1月1日以後に行われる取引から適用される。 ![]() http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/177diet/sst230610y.pdf ![]() ![]()
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(注)上記の改正は、平成24年1月1日以後に行われる先物取引に係る差金等決済について適用する。(附則第43条関係)
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(村田 直 マネーコンシェルジュ税理士法人)
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2011.08.29 |
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