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中小企業倒産防止共済、平成23年10月1日より改正
● 改正項目は、掛金月額の引上げや早期償還手当金の創設など
  先日、「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」が成立し、平成23年10月1日から改正項目が実施されることになった。今回は、その改正内容についてお伝えする。
  中小企業倒産防止共済とは、取引先の倒産等に備えるための共済制度で、中小企業基盤整備機構が運営している。万が一、取引先が倒産等した場合には、「掛金総額の10倍」と「その取引先倒産によって回収困難となった債権金額」のいずれか低い方を共済金として貸し付けてくれる(ただし、貸付金の1/10は掛金総額から控除)。
  今回改正となったのは、以下の項目である。
・掛金月額の上限額
・掛金の積立限度額
・共済金の貸付限度額
・償還期間を貸付額に応じて設定
・早期償還手当金の創設
・前納減額金を口座振込に変更
・加入時の申込金不要
・一時貸付金の貸付限度額を760万に引上げ
● 改正の具体的内容
  掛金月額はこれまで8万円が上限であったが、今回の改正により20万円まで引き上げられている。月額引上げに伴い、掛金の積立限度額は20万円×40ヵ月=800万円、共済金の貸付限度額は800万円×10倍=8,000万円に引き上げられる。
  共済金の償還期間は、これまで一律5年だったが、限度額引き上げに伴い、下記のように改正される。
・5,000万円未満……5年
・5,000万円以上6,500万円未満……6年
・6,500万円以上8,000万円以下……7年
(償還期間には据置期間6ヵ月を含む)
  また、下記の条件を全て満たした場合には、早期償還手当金が支給されることになった。
・繰上償還によって当初の約定償還期限よりも12ヵ月以上早く完済していること
・完済日において共済契約を解約(脱退)していないこと
・繰上償還した共済金貸付契約の償還を一度も延滞していないこと
● 改正後に必要な手続き
  今回の改正で、既に掛金総額が320万円に達していて、掛金支払が打ち止めになっていた契約者も、掛金の積立てを再開できるようになった。積立再開については、契約者が「掛金納付再開始届出書」を提出する必要がある。積立再開の受け付けは、平成23年9月5日から既に開始されている。
  また、平成23年10月以降に掛金総額が320万円に達する場合には、掛止めを選択することもできる。この場合には、「掛金納付掛止届出書」を提出する。何も届出をしなければ、掛金の支払は継続することになる。
  今回の改正を受けて、掛金月額を増額したい場合には、「掛金月額変更申込書」を提出すれば、平成23年10月分以降の掛金から増額することができる。なお、増額は掛金を前納している場合にも可能となっている。
(村田 直 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2011.10.03
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