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「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の延長なるか
● 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度
  父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住用に供する住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築などのために金銭(「住宅取得等資金」という)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、贈与税の非課税制度を活用することができる。
  この制度は、平成22年1月1日から平成23年12月31日までの間に直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、原則として平成22年の贈与については1,500万円まで、平成23年の贈与については1,000万円までの金額について、贈与税の申告書を提出することにより、贈与税を非課税とする制度である(平成21年分および平成22年分で旧非課税制度の500万円を適用している人は、平成23年分でこの制度を適用することはできない)。
  なお、受贈者(資金をもらう人)の要件は、次のとおりである。
   (1)  贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること(贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者または贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること)
   (2) 贈与を受けた時に贈与者(資金をあげた人)の直系卑属であること
   (3) 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること
   (4) 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること
   (5) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築などをすること
   (6) 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実に見込まれること(贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、この制度は適用できず、修正申告が必要となる)
● 非課税限度額
  住宅取得等資金のうち非課税限度額は、平成22年は1,500万円まで、平成23年は1,000万円までとなっている。
  この制度は、暦年課税にあっては基礎控除額110万円、相続時精算課税にあっては特別控除額2,500万円をプラスして適用できる。なお、相続時精算課税に係る特別控除額2,500万円の適用は、原則として父母からの贈与に限定されているので、注意されたい。
  また、配偶者の父母や祖父母から住宅取得のための資金を贈与された場合には、受贈者の直系尊属には当たらないので、この贈与税の非課税制度を受けることはできない。
● 国土交通省から延長・拡充の要望
  住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度については、このままでは年内で期限切れとなってしまう。
  しかし、国土交通省の平成24年度税制改正において、この贈与税の非課税制度について非課税限度額を1,500万円に拡充し、適用期限を平成25年12月31日まで延長する要望が提出されている。
  今後そうなるかは不明だが、とりあえず現行制度は年内で終了してしまうため、この制度を活用してマイホームを手に入れようとお考えの方は、ご検討いただきたい。
  
今村 京子(いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
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2011.11.7
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