>  今週のトピックス >  No.2333
「自分ブランド」重視で早期退職する20代
● 20代FA志向者は、仕事のやりがい重視
  株式会社NTTアドでは、最近の若者が入社してすぐ会社を辞めてしまう理由について、インターネット方式で調査を実施し、「就職・転職に関する調査」を発表した。調査対象は、新卒採用され就職後2年未満で他にやりたいことがあって転職した20代(「20代フリーエージェント志向者」と名づける、以下「20代FA志向者」)」100名を含む20〜40代の首都圏在住有職者600名。
  その結果、20代FA志向者は「収入」や「会社のブランド」よりも「仕事のやりがい」を重視していることが明らかになった。
● 20代女性のFA志向者は、「他に自分のやりたいことがあれば、すぐ転職(退職)すべき」
  仕事に関する意識・行動を聞いたところ、20代FA志向者では「スキルアップや資格取得のために勉強していることがある」42.0%、「収入よりも仕事のやりがいを重視する」38.0%、「会社のブランドにこだわらないほうだ」37.0%が上位に挙がった。
  全体と比較すると、20代男性FA志向者で「収入よりも仕事のやりがいを重視する」、20代女性FA志向者で「他に自分のやりたいことがあれば、すぐ転職(退職)すべきだと思う」が高くなっている。
  一方、「安定した生活をするためには、大企業に入ったほうがよいと思う」は、20代FA志向者が全体よりも低くなっている。「年収」や「企業ブランド」がステータスシンボルとなっていたこれまでの価値軸は、20代の若者には通じなくなってきていることが明らかになっている。肩書きや組織といった既成の枠組みにとらわれることなく、自己実現を志向する若者の姿が浮き彫りとなった。
● 20代FA志向者は、自己表現を積極的に行う傾向が強い
  ライフスタイルに関する意識・行動を聞いたところ、20代FA志向者は、「自分の意見や考えをはっきりと主張するほうだ」53.0%、「だれかに話すことで、気持ちがスッキリすることが多い」42.0%、「自分にしかできないことや自分らしさを常に意識している」41.0%が上位に挙がった。
  全体と比較すると、20代女性FA志向者で、上記3項目に加え「自分の意見や考えに共感してほしい」が約5〜7割となり、全体よりも高くなっている。20代FA志向者は、女性を中心に、自己表現を積極的に行う傾向が強いことがわかった。
  このような調査結果を受けて、各企業ではどのように対応していけばいいのだろうか。実際のところ20代の若者の価値観を根底から変えることは難しい。しかしながら、新卒採用後2年以内で退職する人が増えてしまうのは問題なので、その割合を少しでも減らすための努力を怠ってはいられない。企業側は、自社に勤務し続けることのメリットを伝え続けるのは当然として、社内にやりがいのある仕事ができる環境をつくることで、まずは優秀な人材の流出を防ぐことからはじめなければならないといえるだろう。

出典:株式会社NTTアド「就職・転職に関する調査」
http://www.ntt-ad.co.jp/news/20111101/20111101.pdf
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
2011.11.14
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