>  今週のトピックス >  No.2341
企業で働く女性の約4人に1人は、非正社員
● 女性の社会進出が進んでいる反面、非正社員の割合が多い
  株式会社ビー・スタイルは、2011年10月14日に、企業で勤務している男女800人(男性400人、女性400人)を対象に、仕事環境に関する実態調査をインターネットで実施した。
  調査結果によると、仕事環境において、依然として男女間に格差がある現実が浮き彫りになった。特に企業で働いている女性の24%は非正社員という結果は、男性の6.2%と比較すると大きな差であり、女性の社会進出は一見進んでいるようにみられているが、非正社員の割合が多く、収入面でも低いという実態が明らかになった。
  今回の調査結果を受けて、各企業は女性の価値観やライフデザインなどから考えて、どのように女性を活用していくのが理想的なのかをあらためて考えてみる必要があるといえる。今後の労働人口減少時代においては女性の労働力が今まで以上に重要になることは明らかであり、早めの対応が求められるところである。
● 企業で働いている女性の71.6%が年収300万円未満
  調査結果によると仕事において性別による不公平感を感じている人は、男性が25.8%に対して女性は29.8%とやや女性のほうが多い。これは推測する限りでは、やはり収入面や出世などのことが若干関係しているのではないかと思われる。
  また1社あたりの平均勤続年数についての調査では、女性で正社員と非正社員(契約社員、派遣社員)の平均勤続年数を比較すると、非正社員のほうが平均勤続年数が短く、非正社員では61%が3年未満という結果となった。しかしながら正社員であっても49.5%が3年未満というのは、非常に残念な結果であり、出産・育児休業後の職場環境の改善など企業側の努力も必要ではないかと思われる数字となった。
  次に収入の比較になるが、企業で働いている女性の71.6%が年収300万円未満であった。男性は、年収300万円未満の割合は、47%であることを考えるとここにも大きな差がある。
  またどんなときに不公平を感じたかという質問に対して、
「男の人はがんばれば昇給していく。スピードも速い。」
「男女の違いというだけで、基本給に何万円もの差がある。」
「女性の管理職はひとりもおらず、昇進・昇格の進度に不公平を感じる」
「女性はいずれ結婚・出産等で退職するので重要な仕事を任されないケースがある。」
  などの回答がみられた。これらの生の声を参考にして現場においては性別において不公平感がないような職場環境づくりに早急に着手していくべきといえる。
参考 株式会社ビー・スタイル 仕事環境に関する実態調査
    http://www.b-style.net/press/pdf/20111107reing.pdf
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
2011.11.28
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