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外貨建金融商品へ投資する際の心得
● もしも、わが子を海外旅行に行かせるとしたら…
  最近の円高で、外貨建投資信託や外国債券などの外貨建金融商品に投資を検討されている方が多いようだ。どのような点に注意して投資すればよいのか、ポイントをみてみたい。
  外貨建金融商品への投資は、自分の大事なお金を子どもに例えて、子どもが海外旅行に行くものと考えてみるとわかりやすい。
  子どもが海外旅行に行く場合、いつ出発していつ帰るのか、その国の通貨がどのようになっているかなどをまず確認するだろう。また、その国の治安や政情が安定しているかどうかなども心配であり、旅行に行った子どもから連絡がないとどうしているか不安にもなる。このように置き換えて投資を考えると理解しやすいはずである(下記の図表参照)。
  先月の25日にイタリアの10年物国債利回りが7%を超えてきた。これはイタリアの国債がデフォルトになるという思惑から、債券が売られ債券価格が下落して、その結果、利回りが上昇した。
  また、比較的評価が高かったドイツ、フィンランド、オーストリアなどの国債も売られ、欧州全体の債務問題を巡る不安が拡大してきている。債券の利回りの高さや投資信託の分配金の額だけに目を奪われずに、その国の財政の健全性や格付けなども重要となる。
  一般的には、債券は株式よりリスクが低いと思われているが、外国債券への投資の場合は株式よりリスクが高くなることもある。為替リスクに注意することは言うまでもないが、最近は欧州不安だけではなく、中国などの新興国への不安もあるので、発行体の信用リスクには特に注意したい。
  外貨建金融商品への投資を子どもの海外旅行にたとえると…
  
1. いつ行くの?
  (いつ発行されるのか?)
2. その国の通貨は? 通貨単位は?
  (発行体の為替は? 販売単位は?)
3. 治安は大丈夫?
  (信用不安は? 発行体の格付は?)
4. たまには連絡するのよ
  (発行体の情報は取りやすいのか?)
5. いつ帰るの?
  (満期はいつか?)
  
伊田 賢一(いだ・けんいち)
株式会社FPウィム代表取締役、株式会社 WINKS 代表取締役
CFP®認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券会社3社に勤務の後、2002年に独立系FPとして活動開始。独立系FP会社役員を経て、2007年に相談業務を中心としたFP会社として株式会社FPウィムを設立。2010年には多角的なFPサービスの提供を目的とした株式会社WINKSを設立。さいたま朝日「家計の知っ得」、ホケモン「保険の基礎知識」ほか多数媒体にて連載執筆中。著書に『うかる!FP技能士2級』『うかる!FP技能士3級』『うかる!証券外務員2種』などがある。NPO法人日本FP協会 埼玉支部副支部長、マネーカフェさいたま代表、埼玉県金融広報委員会アドバイザー。
http://fpwim.com/
  
2011.12.05
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