>  今週のトピックス >  No.2373
平成24年度の雇用保険料率、0.2%引き下げへ
●  一般の事業の雇用保険料率は、1.35%
  厚生労働省はこのたび、平成24年度の雇用保険料率を前年度から0.2%引き下げることを告示した。雇用保険料率は、労使折半で負担する失業等給付の料率と事業主が負担する雇用保険2事業の料率で成り立っているが、今回は失業等給付料率の引き下げに伴って変更された。
  その結果、雇用保険料率は一般事業で1.35%、農林水産・清酒製造の事業で1.55%、建設の事業で1.65%となる。
●  0.2%の引き下げは、年収500万円の人の場合、1万円の減額になる
  雇用保険料率は、今回0.2%の引き下げとなったが、仮に年収500万円の人を例として計算してみると、従来であれば雇用保険料は年間77,500円だったものが、今回の引き下げで67,500円となる。1万円の減額であるが、労使折半負担になるので実質の企業負担は5,000円引き下げられることになる。仮に同じような労働者が100人いるとした場合、労使全体での雇用保険料は年間100万円の減額になるので、今回の保険料率の引き下げはかなり大きい。
  雇用保険料率の変更は、給与計算ソフトの設定の変更を伴うことも多いので余裕をもって取り組むべきといえる。
●  実務担当者は、労災保険料率の変更にも注意
  雇用保険料率だけでなく平成24年度から適用する労災保険率も、厚生労働省から改定案が示されている。全体的には下がっている業種が多いので、こちらは事業主には朗報といえる。東日本大震災の影響については次回の改定のタイミングである平成27年度の改定に反映される予定となっている。
  なお、平成24年度は、雇用保険料率だけでなく労災保険料率の変更もあるので、実務担当者は労働保険料の申告の際に計算間違いをしないように細心の注意を払いたいところである。
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
2012.02.06
前のページにもどる
ページトップへ