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協会けんぽの新保険料率が決定、現行より引き上げに
  平成24年3月分(4月納付)から改定される、協会けんぽの新保険料率が発表されました。全国平均で現行の9.50%から10.00%へ引き上げが行われています。この引き上げは、景気悪化に伴う保険料収入の落ち込み、医療費支出の増大等により協会けんぽ財政が悪化したことによるものです。また併せて、介護保険料率(全国一律)の改定も例年通り行われ、現行の1.51%から1.55%へ引き上げられます。
● 平成24年度 健康保険料率
都道府県名 現行料率 新保険料率 都道府県名 現行料率 新保険料率
北海道 9.60% 10.12% 滋賀県 9.48% 9.97%
青森県 9.51% 10.00% 京都府 9.50% 9.98%
岩手県 9.45% 9.93% 大阪府 9.56% 10.06%
宮城県 9.50% 10.01% 兵庫県 9.52% 10.00%
秋田県 9.54% 10.02% 奈良県 9.52% 10.02%
山形県 9.45% 9.96% 和歌山県 9.51% 10.02%
福島県 9.47% 9.96% 鳥取県 9.48% 9.98%
茨城県 9.44% 9.93% 島根県 9.51% 10.00%
栃木県 9.47% 9.95% 岡山県 9.55% 10.06%
群馬県 9.47% 9.95% 広島県 9.53% 10.03%
埼玉県 9.45% 9.94% 山口県 9.54% 10.03%
千葉県 9.44% 9.93% 徳島県 9.56% 10.08%
東京都 9.48% 9.97% 香川県 9.57% 10.09%
神奈川県 9.49% 9.98% 愛媛県 9.51% 10.03%
新潟県 9.43% 9.90% 高知県 9.55% 10.04%
富山県 9.44% 9.93% 福岡県 9.58% 10.12%
石川県 9.52% 10.03% 佐賀県 9.60% 10.16%
福井県 9.50% 10.02% 長崎県 9.53% 10.06%
山梨県 9.46% 9.94% 熊本県 9.55% 10.07%
長野県 9.39% 9.85% 大分県 9.57% 10.08%
岐阜県 9.50% 9.99% 宮崎県 9.50% 10.01%
静岡県 9.43% 9.92% 鹿児島県 9.51% 10.03%
愛知県 9.48% 9.97% 沖縄県 9.49% 10.03%
三重県 9.48% 9.94%
● 保険料増加額の目安(全国平均保険料率で試算)
月収(給与明細の額面) 本人増加額(月額)
40万円 約1,020円
30万円 約750円
20万円 約500円
  また、40歳以上65歳未満の方には介護保険料が加わります。
  上記と同様に試算した場合の増加額は次のとおりです。
月収(給与明細の額面) 本人増加額(月額)
40万円 約1,100円
30万円 約810円
20万円 約540円
  国による保険料上昇抑制のための特例措置の実施があっても、現状のままでは、今後も保険料率の引き上げは避けられない状況です。
  協会けんぽの支出においては、加入者の医療費等が支出全体の約6割、高齢者の医療費を支えるための拠出金等が約4割となっています。その他、加入者が病気で仕事を休んだ際の手当金等が支出全体の6.4%、健診・保健指導費が1.1%です。
  近年、医療費支出の伸びが、保険料収入の基礎である賃金の伸びを上回っており、その差は拡大しています。また、昨今の不況の影響により、中小企業等の労働者の賃金下落に伴い保険料収入が落ち込んでいます。
  併せて、高齢者医療への拠出金も年々増大しており、これが保険料率引上げの大きな要因となっています。
  現状のままでは、今後も保険料率の引き上げは避けられない状況です。
  協会けんぽは、保険料率の上昇を抑えるため、国に対して協会への国庫補助の法的上限(20%)までの引上げや拠出金負担の重い高齢者医療制度の見直しを要望しています。

参照:全国健康保険協会
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/
  
野上 幸彦(のがみ・ゆきひこ)
野上社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士
オーディオメーカー、建設コンサルティング、フードサービス業界での人事・営業職を経験を経て、平成19年に野上社会保険労務士事務所を設立。多業種経験を活かした人事・労務コンサルティングを行っている。
nogami-sr0021@st-paul.gr.jp
  
2012.02.27
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