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確定申告の内容の再チェックを!!
● 税額を少なく申告していた場合は「修正申告」
  平成23年分所得税等の確定申告もいよいよ終盤を迎えた。申告書を提出し終わりほっとしている方も多いと思われるが、申告内容を再チェックすることも必要だ。例えば、本業の事業所得以外に配当所得や生命保険の満期保険金を受け取っていたことなどをうっかり忘れていた場合は、申告した内容を改めることになる。
  税額を少なく申告していたときは、申告期限内であれば、申告書を再提出すればいいのだが、期限後は、「修正申告」をして正しい税額に修正する必要がある。
  修正申告によって新たに納付する税額には、法定納期限(平成23年分の所得税は3月15日、個人事業者の消費税等は4月2日)の翌日から完納する日までの期間について延滞税がかかるので、併せて納付する。延滞税の割合は、法定納期限の翌日から2ヵ月を経過する日までの期間は、年4.3%(平成24年中)、納期限の翌日から2ヵ月を経過した日以降の期間は年14.6%となる。
  過少申告加算税は、申告期限後でも、納税者が自主的に修正申告すればかからないが、税務調査や税務署の指摘などがあって不足税額を払う場合は、新たに納めることになった増加税額の10%相当額の加算税がかかり、増加税額が、期限内申告税額または50万円のいずれか多い金額を超えるときは、その超える部分については15%相当額となる。余分な税金を支払わないためにも、申告内容の早めの再チェックがお勧めである。
● 税額を多く申告していた場合は「更正の請求」
  なお、税額を多く申告していたときは、「更正の請求」によって、納めすぎた税金を還付してもらうことができる。
  更正の請求ができる期間は、平成22年分までは法定申告期限から1年以内だったが、平成23年度税制改正において平成24年2月2日以後に行うものについては5年以内に延長されている。つまり、平成23年分からは更正の請求を5年以内に行えばいいわけだが、なるべく早めに還付を受けたほうがいいのは言うまでもない。
  修正申告書、更正の請求書ともに必要事項を記入し、納税地を所轄する税務署長に提出すれば手続きは完了する。修正申告書、更正の請求書は、税務署に用意してあるが、国税庁のホームページからもダウンロードできる。
  ところで、確定申告しなければならないのに、確定申告を忘れていたというケースも少なくない。申告の必要があるにもかかわらず、確定申告をしなかった場合には、税務署長が所得金額や税額を決定する。
  なお、税務署長が決定する場合や提出期限に遅れて申告した場合などは、新たに加算税が賦課される場合があるほか、法定期限の翌日から納付日までの延滞税を併せて納付しなければならないので、要注意だ。
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に「住基ネットとプライバシー問題」(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍「生命保険法人契約を考える」
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2012.03.12
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