正月休みに運動もせず、テレビを見ながら飲んで食べて過ごし、体重計に乗ってみたら思いのほか体重が増えていて驚かれた人も多いと思う。肥満は健康の敵といわれ体脂肪率への関心が高まり、体脂肪計でチェックされている人も多いと聞く。では西洋世界での美女・美男の代表「ミロのビ―ナス」と「ミケランジェロ作・ダビテ」の体脂肪率はどうであろうか。両者は彫刻で巨大に製作されているので、現実の人間サイズに縮小してみると下記のとおりとなっている。これから体脂肪率を想定すると「ミロのビ―ナス」は体脂肪率が27.8％で「ダビテ」は10.5％と推定される。二人とも年齢不詳だが、30歳未満とすると「ミロのビ―ナス」は肥満傾向で「ダビテ」はやや痩せすぎになっている。豊満なビーナス、精悍なダビテという彫刻のイメージを体脂肪率が証明している。

  ところで、なぜ肥満が健康の敵なのだろうか。肥満によりさまざまな合併症(糖尿病、高血圧症、心臓病など)が発生するからである。ただ体重が標準より多いから肥満というのではなく、体脂肪の量と分布が問題となっている。男性の場合は腹が大きいという「りんご型」の内臓脂肪の蓄積が大きいタイプ、女性の場合は下半身が大きいという「洋梨型」の皮下脂肪タイプが代表的である。内臓脂肪の方が疾病のリスクが高く、男性の方が合併症にかかる危険が多い。ただし酒やタバコと同様で、肥満を気にして痩せようとストレスを貯める方が健康には問題で、くよくよ悩むよりリラックスして生きるのがよりベターなのかもしれない。