> 今週のトピックス > No.351 |
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自殺者3年連続3万人突破 | |
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![]() 警察庁による2000年度の自殺者統計では、自殺者は1999年度より約1,000人減少したが、3年連続で3万人の大台を超えていることが明らかになった(下図参照)。
![]() 交通事故による死亡者は社会問題となり交通戦争とまでいわれ、撲滅運動が長らく展開された。その結果、2001年度には死亡者数が初めて9,000人を下回った。しかし自殺による死亡者3万人は、交通事故の3倍をはるかに上回っている。
![]() 特に不況が中高年男性を直撃し、リストラ、倒産、借金苦など、経済的に追い込まれた自営業者の自殺が過去最高となっている。自殺は遺族に大きな傷跡を残し、心に深刻な影響を及ぼしており、全国で12万人を超える自死遺児の存在は大きな問題となっている。自死遺児の心の傷は深刻で、自分のせいで親が自殺したという自責の念、罪悪感、喪失感、孤独感などで苦しんでいる。
![]() 自殺して保険金を取得することを目的に保険契約することを防ぐため、自殺免責期間がある。自殺者に対する保険金支払いについては各方面からいろいろな意見があり、免責期間も社会情勢により変わってきた経緯がある。自殺免責期間は、1960年代まで2〜3年だったが、コンシューマリズムの高まりなどから高度成長時の70年代に、1年に短縮された経緯がある。その後バブル経済が崩壊し、経済的苦悩による自営業者・経営者の自殺が衝撃的に新聞などで報じられ、社会的な大問題となってきた。
![]() 自殺免責期間が1年というのは短いので自殺ほう助の危険があること、また自殺による死亡保険金支払いが増加(年間約1600億円)したことなどにより、1999年4月から免責期間を2年に延長する会社が出てきた。その後は同様に延長する会社が続き、2000年4月にほぼ全社が延長手続きを終了、大半の会社の約款では新規契約の自殺免責は2年としている。
![]() 自殺はいろいろな意味で防止する必要がある。特に社会的側面の強い経済的苦悩による自殺は、一刻も早い景気回復により減少することが望まれる。
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2002.01.29 |
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