>  今週のトピックス >  No.352
国民年金保険料の納付漏れ防止対策強化
  国民年金加入者のうち、若い世代を中心に未納付者が年々増加している。社会保険庁の「平成11年国民年金被保険者実態調査」によると納付者は総数の67.6%に止まっているが、全額納付者となると約6割と推定されている。このまま滞納が広がると年金財政が一段と悪化し、無年金者が将来増え続け大きな社会問題となりかねない。そこで社会保険庁は今年から来年にかけ、次のような滞納対策を強化することとした。
  1. 受付窓口の拡大
      2002年4月から市町村の指定金融機関以外に、銀行、信用金庫、農協、郵便局など、全国どの金融機関でも受け付けるようにする。さらに2003年度からはコンビニエンスストアでも受け付けを開始、24時間納付できるようになる。

  2. 督促状の定期的発信増
      現在は未払い期間が1年を超え、滞納額がたまってから督促状を出しているところを、滞納が始まればすぐに年6回送るようにする。

  3. 徴収員の増員
      夜間や休日に滞納者の自宅訪問や電話で納付を勧奨する非常勤の徴収員を、2002年度は約1,900人増員する。
  ただ、こうした未納付者の防止対策強化で、どの程度効果が上がるかは疑問視されている。度重なる年金制度の改革、世代間の不公平感で制度自体に対する不信感が高まっており、また、リストラによる失職や就職できない若者が増えているため、払うに払えない人も多くなっている。2004年における制度見直しで、再度、保険料引き上げや給付減などが浮上してくると、滞納者が一層増加することにもなりかねない。
【年齢階級別保険料納付状況】
年齢階級別保険料納付状況
2002.01.29
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