> 今週のトピックス > No.364 |
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事業保険と実効税率 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() 政府税制調査会は、平成15年度の抜本的な税制改正の基本方針として、課税最低限の引き下げや税率などを協議している。今後調整を経て、改正案が固まっていく見込みだが、法人税率が引き下げられることになると実効税率は平成11年以来の引き下げとなる。
![]() 事業保険の販売をする際、保険料の全額もしくは一部が損金に算入可能なことや、税金対策(節税)として活用できることがセールスポイントとなっている。実際に税額を計算して提示するときに重要なのが、使用する税率である。国際比較(表1)でみると、日本の最高法定税率が最も高い。しかも、各国ごとにさまざまな税務上の優遇措置があり、企業はそれを有効活用することによって「実効税率」を下げることが可能であるため、内外の税率の差はさらに拡大する。
![]() 日本の企業の負担する税金は、かなり高く、税金に対する負担感が強くなるとともに、節税に対する関心が以前にも増して高まっている。
![]() 事業保険の販売においては、法人事業税が損金に算入される効果を反映したものを実効税率として使用している場合が多い。これは、事業税が翌期の損金に算入することができることから、この損金算入分の効果により実際の税率が法定税率よりも低くなるためである。
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『表1』 法人税率の国際比較
![]() 【実効税率の具体的算出方法】
事業税控除前の所得を100とすると、事業税を損金算入した課税所得は、事業税率が9.6%であるから、 100/(1+0.096)=91.24 となる。その場合、次の計算で実効税率の最高税率は40.87%となり、法定税率42%より約1%少なくなることが分かる。
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![]() 【法人税率の改正に伴う実効税率の変遷】
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『表2』 現在の税率(平成11年度以降)
![]() (フリーライター 志田 和隆)
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2002.02.19 |
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