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総務省統計局は2月8日、平成13年平均の「家計調査報告」を公表した。これによると、全世帯の1世帯当たりの消費支出は、平成5年より減少に転じ始め、13年には実質1.8%減少し、9年連続の実質減少となった。(図1)
これは昭和38年の調査開始以来初めてのことであり、長引く景気低迷を如実に反映していることが分かる。また、1人当たりの消費支出も月95,867円と、前年比実質1.2%の減少となっている。
全世帯の平均消費支出金額は月308,692円。食料費は71,534円でエンゲル係数(消費支出に占める飲食費の割合)は23.1%を占めている。戦後まもなくのエンゲル係数は60%を超えていた。一般にエンゲル係数は家計が豊かになるにつれ低下し、可処分所得が増えることになっている。しかし、近年のエンゲル係数の低下は、デフレや家計収入の減少などが要因として挙げられ、食料費を切り詰め生活防衛をしているものと思われる。
一方、家計の10大費目を見てみると、授業料や参考教材などの教育費の減少(-8.9%)が最も顕著で、食料費では狂牛病の影響か、特に肉類の減少が目立っている。このほか、こづかいや下着類などの被服関連が5%以上の減少となっている。逆に増加しているのは、家庭用耐久財や携帯電話の通信費など、ごく一部にとどまっている。(図2)
『図1』 消費支出の対前年実質増加率の推移』

『図2』 10大費目の内訳(平成13年―全国・全世帯)
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消費支出 |
食料 |
住居 |
水道光熱 |
家具家事 |
金 額 (円) |
308,692 |
71,534 |
20,018 |
21,367 |
11,151 |
増加率(%) |
−1.8 |
−2.5 |
−3.2 |
−1.1 |
+5.0 |
備 考 |
9年連続減 |
11年連続減 |
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4年ぶりの減 |
4年ぶりの増 |
被服履物 |
保健医療 |
交通通信 |
教育 |
教養娯楽 |
その他 |
15,170 |
11,549 |
36,420 |
12,765 |
31,418 |
77,300 |
−4.2 |
+1.3 |
+1.5 |
−8.9 |
+0.8 |
― |
11年連続減 |
3年連続増 |
携帯通信増 |
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4年連続減 |
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