>  今週のトピックス >  No.367
世帯の消費支出は史上初9年連続で減少
  総務省統計局は2月8日、平成13年平均の「家計調査報告」を公表した。これによると、全世帯の1世帯当たりの消費支出は、平成5年より減少に転じ始め、13年には実質1.8%減少し、9年連続の実質減少となった。(図1)
  これは昭和38年の調査開始以来初めてのことであり、長引く景気低迷を如実に反映していることが分かる。また、1人当たりの消費支出も月95,867円と、前年比実質1.2%の減少となっている。
  全世帯の平均消費支出金額は月308,692円。食料費は71,534円でエンゲル係数(消費支出に占める飲食費の割合)は23.1%を占めている。戦後まもなくのエンゲル係数は60%を超えていた。一般にエンゲル係数は家計が豊かになるにつれ低下し、可処分所得が増えることになっている。しかし、近年のエンゲル係数の低下は、デフレや家計収入の減少などが要因として挙げられ、食料費を切り詰め生活防衛をしているものと思われる。
  一方、家計の10大費目を見てみると、授業料や参考教材などの教育費の減少(-8.9%)が最も顕著で、食料費では狂牛病の影響か、特に肉類の減少が目立っている。このほか、こづかいや下着類などの被服関連が5%以上の減少となっている。逆に増加しているのは、家庭用耐久財や携帯電話の通信費など、ごく一部にとどまっている。(図2)
『図1』 消費支出の対前年実質増加率の推移』
『図2』 10大費目の内訳(平成13年―全国・全世帯)
  消費支出 食料 住居 水道光熱 家具家事
金 額 (円) 308,692 71,534 20,018 21,367 11,151
増加率(%) −1.8 −2.5 −3.2 −1.1 +5.0
備 考 9年連続減 11年連続減   4年ぶりの減 4年ぶりの増
 
被服履物 保健医療 交通通信 教育 教養娯楽 その他
15,170 11,549 36,420 12,765 31,418 77,300
−4.2 +1.3 +1.5 −8.9 +0.8
11年連続減 3年連続増 携帯通信増     4年連続減
2002.02.26
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