>  今週のトピックス >  No.378
少子高齢社会と高齢者パワー
  2月28日に配信された小泉内閣メールマガジン第36号に、「少子高齢社会」について小泉総理からメッセージがあった。小泉内閣の目指す大事な目標の一つとして、「高齢者が安心して、生きがいをもって暮らせる社会」が挙げられている。現在,日本の65歳以上の高齢者は100人中17人だが、10年後には100人中23人が高齢者になっていると推定されている。そのとき15歳未満の若年層は、100人のうち13人と、少子高齢社会は避けられない現実のようである。
  好きな言葉の一つとして、小泉首相は
『50、60花ならつぼみ。70、80花盛り。100になったら実を結ぶ』
  とメールマガジンの中で紹介している。また、「壮にして学べば老いて衰えず」、「老いて学べば死して朽ちず」と、ボランティア活動や生涯学習などで、これから新たな挑戦をする高齢者たちを応援している。
  最近では、学習意欲の高い人が増えており、資格取得講座・大学のオープンセミナー・市民教室などシニア層を対象にした教育サービスが広がっている。60歳から国家試験の合格を目指す講座やシニア限定英会話講座、パソコンの講師養成講座など内容は実に多彩だ。小泉首相の言う通り、50、60歳はつぼみで、70、80歳が花盛りなのかもしれない。
  一昔前には、「濡れ落ち葉」や「ワシモ族」などと、定年退職後、趣味もやりたいこともない人達をパロディ化して呼んでいた。終身雇用の崩壊からいわゆる「会社人間」という言葉もすでに死語となり、これから高齢者になる「団塊の世代」は、まったく違う生活習慣と考え方を持っている。人生80年の時代を迎え、より多くの人が健康で生き生きとした老後を過ごすことのできる社会を目指した、社会的意識の高い人たちが高齢者の中心になってくると思われる。
  しかし、高齢者のパワーがこれから期待できるといいながらも、やはり若年層が少ないという事実は、日本の社会的インフラに大きな影を落としている。少子高齢社会を目前にして、社会保障制度の改正や税制改正などが協議されており、今後調整を経て、改正案が固まっていく見込みだが、いずれにしろ国民の負担増は避けられない状況のようだ。
2002.03.12
前のページにもどる
ページトップへ