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生保商品の銀行窓販、10月より一部解禁
  金融庁は3月19日、銀行窓販の保険商品拡大方針を金融審議会分科会に提示し、了承された。今後、内閣府令の改正を経て、10月1日から個人向け年金保険(定額、変額)、財形保険、年金払積立傷害保険、財形傷害保険などの商品が、銀行の窓口で販売されることになる。
  昨年4月から解禁された保険商品の銀行窓販は、海外旅行傷害保険や住宅ローン関連の長期火災保険・債務返済支援保険・信用生命保険など損害保険を対象としてきた。当時、対象商品の拡大などについては、実施状況を反映しながら検討を行い、平成14年3月中に結論を出すとされていた。
  今回の対象商品拡大に合わせて、契約者保護のための弊害防止措置も実施される。保険商品を購入しなくとも、貸し出しなどほかの取引に影響しないことを説明させることとした。変額個人年金保険については、融資を受けて保険料に充てた場合、元本割れが起きると借入金が残ることについて、顧客への説明が義務付けられている。また、銀行などの内部でマニュアルを策定したうえで研修を実施するとともに、内部検査を行うなど募集体制を整えることを求めている。
  銀行にとっては、顧客の利便性に役立つとともに、手数料収入の拡大にもつながるため、職員の生保販売資格の取得を予定している。特に、変額保険の販売にあたっては、生保販売に必要な一般課程、専門課程および変額保険販売資格試験に合格しなければならないため、10月の生保銀行窓販の解禁にともない、大量の金融機関職員の受験が予測されている。そのため、金融機関職員のみを対象とし、一般課程、専門課程、変額保険販売資格試験の3科目を統合した特別試験の実施が検討されている。期間は今年の7月から11月までの間の計10回で、集中的に実施される予定だ。
  高齢社会を迎えて、個人年金は今後成長が期待できる商品とされ、従来の定額型に加え変額型を各社ともに新商品も含め、ラインナップに加えている。実質的には、初めて生保商品が銀行窓販の対象となるため、今まで水面下で行われていた銀行・生保の提携は一層加速し、し烈な囲い込み作戦が展開されそうである。
  今回窓販が解禁される商品には、生損保の主力商品である定期保険、終身保険、自動車保険や、がん保険などの第三分野商品が含まれていない。しかし今後も規制緩和の方針の下、対象商品の拡大はさらに検討されることになっている。10月からの動向を注目する必要があるだろう。
2002.03.26
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