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アフガニスタン人の平均寿命は40歳代前半
〜平均寿命の国際比較〜
  全世界の人口は約63億人で、そのうち60歳以上の高齢者は10%にあたる6億3千万人と推定されており、今後数十年間は、世界的な高齢化が進むと考えられている。しかし、開発途上国や戦乱の続く国では平均寿命(国連平成14年発表「高齢化の統計」)もかなり短い。調査した年次や国により、調査内容や方法も異なるため、一概にいうことはできないが、日本をはじめとする長寿国とでは平均寿命が倍以上も違っている国があることは国連の調査からも読み取れる。
  旧ソ連の侵攻以降、内乱が続いたアフガニスタンでは、男女ともに40代前半と際立って平均寿命が短い。また、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの人数)は6.9人、1千人当たりの出生率も49.7人と非常に高いが、その反面、乳児死亡率は163.4人と日本の44倍以上になっている。干ばつや戦乱などに苦しみ、劣悪な環境の中で死亡してしまう乳幼児の悲惨な現状が浮き彫りになっている。
  同じように、衛生環境の悪化や医療機関の不備に加え、内乱の多発しているアンゴラ、ウガンダ、エチオピアなどのアフリカ諸国も平均寿命は短く、特にリベリアは、男性38歳、女性41歳と世界一平均寿命が短い国となっている。一般的に平均寿命は女性の方が男性より長いことは周知の事実だが、唯一ネパールだけが男性55.10歳、女性54.10歳と1歳男性が上回っている。逆に、ロシアは男性が女性よりも13.43歳も寿命が短く、最も男女間格差がある国となっている。その原因は究明されていないが、ウォッカの飲み過ぎによるものではないかという説もあるという。
  こうして、平均寿命の国際比較などを見てみると、日本が半世紀以上に渡り戦乱もなく平和であったことや、経済的にも豊かであることを改めて実感せざるを得ない反面、少子・高齢化の深刻さは避けられない現実といえよう。
「平均寿命・人口動態の国際比較」
出典:United Nations Demogaphic YearBook1997
厚生労働省「平成12年 簡易生命表」「平成9年 人口動態統計」
2002.04.30
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