>  今週のトピックス >  No.413
懐かしい「ジョー&飛雄馬」復活
  「あしたのジョー」と「巨人の星」が講談社から復活する。両作品を連載する再録誌「ジョー&飛雄馬」が創刊(5月10日発売)され、これから1年半にわたって、月2回発行されるということだ。団塊の世代をはじめとする中高年層にとっては懐かしく、「買ってみたい」という衝動にかられる人も多くいるに違いない。
  両作品とも「週刊少年マガジン」で人気を博し、その後テレビでアニメ化され、爆発的に人気が沸騰した。社会現象を巻き起こし、大人からの圧倒的支持を得た2作品である。マンガというジャンルが、子ども向けから若者・大人までも夢中にさせるものへと変わってきた時代でもあった。団塊の世代にとっては、まさに思春期から大人へと移行する時期であり、強い影響を受けた人もいることだろう。親子・家庭、友情、師弟愛、挫折、復活、ライバルとの闘い、燃えつき症候群などさまざまなテーマを含だ味わい深い作品であった。
  今回の復活の狙いは、昔のファン(中高年)層と、現在の若者をターゲットとしている。恐らく昔のファンは懐かしさで購入すると思われるが、現在の若者に受け入れられるか興味深いところである。このように2つの年齢層をターゲットとした販売方法を、「復活マーケティング」という。音楽部門でも、古い楽曲がナツメロとして中高年層に、若者には新しい斬新な音楽として両世代の支持を受け、人気を博している作品も多数ある。団塊の世代とその子どもたち(団塊ジュニア)が、人口数はもちろん、購買力でも最大の市場であり、今後もこのような戦略で商品が開発・販売されると思われる。
  今回のケースでは、さまざまなジャンルの業界からも関連商品が発売され、雑誌と連動した「クロス・マーチャンダイジング※ (クロスMD:共同販促)」が展開されている。タイアップ業界および商品には、発泡酒、お菓子、ゲームソフト、鉄道のプリペイドカードなどがある。すでに多彩な展開がなされており、異分野の企業やライバル企業が手を組んだクロスMDが、盛んに行われている。過去にはメーカーと流通がタイアップし、単独では得られない広い店頭スペースを確保することで、大きな宣伝効果と販売促進に成功している例もある。
「あしたのジョー」 原作:高森朝雄(梶原一騎)、画:ちばてつや
 
週刊少年マガジン
1968年1号〜1973年25号
 
テレビ・アニメ
(1)1970年4月1日〜1971年9月29日
(2)1980年10月13日〜1981年8月31日
「巨人の星」 原作:梶原一騎、画:川崎のぼる
 
週刊少年マガジン
1966年19号〜1971年3号
 
テレビ・アニメ
(1)1968年3月31日〜1971年9月18日
(2)1977年10月1日〜1978年9月30日
(3)1979年4月14日〜1979年9月29日
「クロス・マーチャンダイジング(クロスMD:共同販促)」
 複数の企業がそれぞれの商品を、共同してメディアや店舗を使い販売を促進させる手法。

例:サントリーコーヒー「ボスHG」と、デジタル衛星放送「スカイパーフェクトTV」

それぞれのCMキャラクターがテレビCMで共演し、ブランドイメージの浸透や、加入促進を図る目的で展開した。
2002.05.14
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