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糖尿病の人は1,000万人を超える?
  日本の糖尿病患者数は、生活習慣と社会の変化に伴い急速に増加している。厚生労働省の平成11年度「患者調査」によると、糖尿病の治療を受けている患者は211万5,000人で、平成5年調査時より55万人増加している。また、検査で血糖値が高いと指摘されたり、治療が必要とされ糖尿病の疑いが強い人は690万人。さらに可能性を否定できない人も680万人おり、合計では1,370万人にも達すると推計されている。(平成10年 厚生労働省「糖尿病実態調査の概要」より)
  糖尿病は、はじめのうちは痛みなどの自覚症状がないため、健康診断などで見つかることが多いが、過去に糖尿病の検査をしたことがある人は66.7%にとどまっている。また糖尿病の疑いがあると指摘されても、実際に治療を受けている人は約半数の51.8%で、残りの人は放置しているのが現状である。
  糖尿病は放置しておくと重大な合併症を引き起こすことが多く、ひとたび発症すると治療も困難で長期化する。合併症とは、その病気がもととなって別の病気や症状を引き起こすことであり、糖尿病の場合の合併症とは神経障害、網膜症、腎症の三大合併症と呼ばれている。具体的な症状としては自律神経障害や失明、白内障、人口透析などである。これら重大な合併症は、血糖コントロールなどの治療をしないでいると糖尿病発症時から10〜15年で表れる。
  平成12年の「人口動態統計」によると糖尿病による死亡数は1万2,303人とあるが、厚生労働省では糖尿病が原因の合併症や脳卒中、心筋梗塞などで死亡した人を加えれば約10万人にもなると推計している。そのため国は「健康日本21」の中で糖尿病有病者の減少を目標に掲げ、その数を1,000万人に設定している。その成否は一人ひとりの生活習慣の改善、健診や治療の徹底にかかっている。
2002.05.28
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