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少子高齢社会と高齢者パワー
  小泉内閣メールマガジン(第36号)に「少子高齢社会」についての小泉総理からのメッセージがある。小泉内閣の目指す目標は「高齢者が安心して、生きがいを持って暮らせる社会づくり」とのことである。小泉首相は高齢者のパワー活用を願っているらしく、自分のことも含め次の言葉を紹介している。
『50、60花ならつぼみ。70、80花盛り。100になったら実を結ぶ』
また、次の言葉も紹介している。
『壮して学べば老いて衰えず』 『老いて学べば死して朽ちず』
  これは生涯学習を提唱する言葉のようだ。現在、高齢者の学習意欲の高まりは極めて高く、資格取得講座や大学のオープンセミナー、市民教室などシニア層でどこも大盛況とのことである。またパソコンにも積極的に取り組むなど、恐るべきパワーを秘めている。小泉首相のいうとおり50、60歳は花ならつぼみ、70、80歳は花盛りなのかもしれない。
  現在の高齢者は100人中17人だが、10年後には100人中23人が高齢者になるという。そのとき15歳未満の若年層は100人中13人で、高齢者の23人に比べると圧倒的に高齢社会となってしまうことは避けられないのが現実である。いわゆる「団塊の世代」は現在50代前半だが、これからいよいよ定年を迎えるこの世代は、高齢社会においても大きなかたまり(団塊)となって、今後もさまざまな影響を与えていくと思われる。
  一昔前は、仕事以外に趣味ややりたいこともなく、奥さんにくっつくことしかできない定年退職者を「濡れ落ち葉」とか「ワシモ族」などとパロディ化して呼んでいた。しかし、これから高齢者になる「団塊の世代」を中心とする世代はまったく違う生活習慣と考え方を持っている。また、終身雇用の崩壊からいわゆる「会社人間」という言葉はすでに死語となっている。最近の高齢者は小泉首相がいう世界にすでに突入しており、今後高齢者になる人々はとてもアグレッシブで、社会的かかわりも深い人たちになるものと思われる。
  しかし、高齢者パワーはこれから期待できるといいながらも、やはり若年層が少ないという事実は日本の社会的インフラに大きな影を落としている。少子高齢社会を目前に迎え、これから健康保険、厚生年金保険などの社会保障制度の改正や、税制改正などさまざまな対策が景気動向とのバランスのうえで進められていくようだが、いずれにしろ国民の負担増は避けられないようだ。
2002.05.28
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