前回は、4つの課題のうち「多様化する女性のライフスタイルと標準的な年金の考え方との乖離(かいり)」および「被用者年金の加入期間の短さ、低賃金に伴い相対的に低水準にとどまる女性の年金」について取り上げたが、今回は残りの2つのテーマについて取り上げる。
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第3号被保険者制度の問題点 |
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第3号被保険者は、専業主婦で無職のため収入がないという前提で保険料をまったく負担していない。このことについて、ほかの働く女性たちから「不公平」だという声があがっている。
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○ |
これは片働き世帯を優遇する制度である。 |
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短時間労働者が第3号被保険者に留まるため、就業調整を行い優遇を享受している。 |
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*就業(勤務日数)調整とは、社会保険での保険料負担を避けるためや税制での配偶者控除等の適用を受けるため、被扶養者の地位を失わないようにするために年間収入を調整すること。 |
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○ |
専業主婦に保険料負担能力がないという根拠はない。 |
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短時間労働(パートなど)による収入、家事・子育てなどは、夫の職場労働と同様に生産的な活動であり、家事労働の帰属所得を考慮すべきである。 |
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○ |
第3号被保険者は、被保険者の年齢が上がり収入が増えるに従いその割合が増えている。そのような余裕のある第3号被保険者を、第2号被保険者全体で支えることは社会的に受容できない。 |
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○ |
自営業者の妻は保険料を負担している。また、母子家庭の母は保険料を負担しており、免除されたとしても減額されるのに比べ不公平。 |
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自ら働かないことを選択しているのに、同じ基礎年金給付が保障されるのは不公平。
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(2) |
遺族年金制度の問題点 |
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下記のような声や問題点が指摘されており、遺族年金制度の廃止または見直しが求められている。
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○ |
年金制度は個人単位の考え方を徹底すべき。現遺族年金制度は廃止または希望者のみ加入の任意加入制度への変更。 |
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○ |
共働き世帯と片働き世帯の給付と負担の関係がアンバランス。夫婦世帯で現役賃金が同一の場合、片働き世帯の遺族の方が遺族年金額が大きい。 |
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○ |
共働き世帯で、配偶者の死後に働いて支払った保険料に対する給付がまったくない場合がある。 |
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○ |
男性と女性で遺族年金の支給要件に違いがあるのは不適切。 |
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○ |
離婚後、夫が再婚して死亡した場合、前妻には遺族年金は支給されず現妻に支給される。婚姻期間の長短は無関係。 |