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近い将来、東京はヒートアイランド化で住めなくなる?
●異常な暑さと集中豪雨はヒートアイランド現象が原因?
  「今年の夏は異常に暑いなあ。それに妙に最近、集中豪雨が増えているような気がする」都心で暮らす人の多くが、そう感じているのではないだろうか。気のせいではない。確かに東京では、気温が30℃を超える時間数がここ20年間で倍増しており、熱帯夜の日数は3倍に増えた。1時間あたり50ミリを超える集中豪雨も、1990年代に入ってから頻発している。最近では、これらの異常気象の原因は、都市の温暖化(ヒートアイランド現象)にあるのではないかという説が有力だ。
●ヒートアイランド現象とは?
  「ヒートアイランド現象」とは、都市における人間活動の影響、特に自動車やエアコンの排熱などによって、都市の気温が上昇することをいう。フロンガスや二酸化炭素の排出による地球規模の気温上昇を「地球温暖化現象」というが、ヒートアイランド現象は地球温暖化の5倍ものスピードで進んでいる。都市に住む人たちにとっては、深刻な問題といえるだろう。過去100年で都心の気温は2〜3℃上昇したが、21世紀中には40℃を超えるだろうと予測されている。そうなれば日本は湿度が高いため、東京は人が住める場所ではなくなるだろう。現在、東京の首都移転問題が取りざたされているが、このままでは将来的に、いやおうなく東京から人が流出することになる。
●ヒートアイランド現象のもたらす影響と、その対策
  「ヒートアイランド現象」とは、都市における人間活動の影響、特に自動車やエアコンの排熱などによって、都市の気温が上昇することをいう。フロンガスや二酸化炭素の排出による地球規模の気温上昇を「地球温暖化現象」というが、ヒートアイランド現象は地球温暖化の5倍ものスピードで進んでいる。都市に住む人たちにとっては、深刻な問題といえるだろう。過去100年で都心の気温は2〜3℃上昇したが、21世紀中には40℃を超えるだろうと予測されている。そうなれば日本は湿度が高いため、東京は人が住める場所ではなくなるだろう。現在、東京の首都移転問題が取りざたされているが、このままでは将来的に、いやおうなく東京から人が流出することになる。
  気温の上昇を食い止めるには、エアコンをはじめとする熱排出の抑制や、ビルの壁面・屋上の緑化、道路表面の保水舗装化などがある。全国の自治体では、ビルの緑化に対する補助金を設けているが、東京都では条例を改正し2001年4月より一定施設の屋上などについて20%以上の緑化を義務付けた。ゼネコンをはじめとして、ビルの緑化は大きなビジネス市場になりつつある。ただ、こういった対策によっても、東京23区では平均気温が0.1℃下がる程度とみられており、もっと抜本的な対策が必要という見方が多い。
●政府も対策に本腰を入れ始めた
  これまでヒートアイランド現象は地球温暖化ほど注目されていなかったが、最近は東京以外の都市でもヒートアイランド現象が深刻化しており、政府も対策に本腰を入れ始めた。近々、環境省と国土交通省、経済産業省が共同でヒートアイランド対策を講じる連絡会議を開催し、2003年春までに具体案をまとめる予定だ。また、現在、東京都では再開発地区を中心に、官民一体となったヒートアイランド対策の研究を進めている。東京では、2003年に高層オフィスビルが次々完成する予定で、そうなればさらに都市部の気温は上昇する。
  気温上昇を防ぐためには、エアコンの設定温度を下げたり、地面に打ち水をするなど、小さな努力を心掛けるようにしたい。もし、将来も都心に住み続けたいと思うのなら。
(マネーライター  本田 桂子)
2002.09.10
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