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日経平均株価の銘柄入れ替え
2002年9月19日、日経平均株価225種(以下日経225)の採用銘柄の入れ替えが行われた。今回入れ替えとなったのは、市場関係者の予想よりは少なく、8銘柄となった。
日経225とは、東京証券取引所第一部上場銘柄のうち、225銘柄を日本経済新聞社が選定して、それらの株価を指数化したものである。この日経225は日経ダウとも呼ばれることがあり、最も代表的な日本株の株式指数のひとつである。
  これは、採用時の年齢差別が禁止条項ではなく、単なる努力義務にすぎないことが大きな原因だ。これでは差別撤廃は口先だけで、実際は若年層を優先的に採用する雇用の現場はなかなか変わらない。1986年に制定された男女雇用機会均等法も制定当初は同じような状況だったが、13年かかって努力規定から禁止規定に強化され、ようやく実効性が期待できるようになった。果たして、年齢差別禁止が強制規定になるのに、これから何年かかるのだろうか。アメリカでは1967年に年齢差別禁止法が制定されたことを考えると、日本は遅れているといわざるをえない。
  その計算式は意外に知られていないが、次のとおりで算出される。
日経225=225銘柄の株価合計÷除数 (*)
*除数は、22,642
  以下の表は、今回の銘柄入れ替えの新規採用と除外銘柄を一覧表にまとめたものである。
新規採用銘柄
除外銘柄
三井トラスト・ホールディングス
フジタ
トレンドマイクロ
ジャパンエナジー
オリンパス光学工業
川崎製鉄
伊勢丹
日本鋼管
CSK
松下通信工業
新日鉱ホールディングス
極洋
JFEホールディングス
飛島建設
日本航空システム
日本航空
  また、日経225種採用銘柄を、セクターごとに分類したのが次の表である。
セクター
入替前
入替後
増減
技術
54
54
0
金融
19
20
+1
消費
27
29
+2
素材
67
66
−1
資本材・その他
38
36
−2
運輸・公共
20
20
0
その他
225
225
0
  以上の2つの表からも明らかなように、今回もやはり素材や資本材などの重厚長大産業のセクター銘柄が減少する一方で、消費や金融セクターの銘柄が増加している。このことは「日経平均株価という株式指数は、注目のセクターのウェートが高くなる株価指数であり、日本の株式市場全体を表す指数ではない」という、日経225の本質を理解するうえで注目すべき点である。
  2000年4月に行われた30銘柄という大量の日経平均採用銘柄の入れ替えをきっかけに、日経225に関して、指数としての連続性を疑問視する声が上がったことは記憶に新しい。確かに産業構造の変化に対応するためといえ、225銘柄のうち30銘柄も入れ替えてしまっては、指数の連続性を疑問視されるのも当然だろう。そして今回の入れ替えにより、オールド・エコノミー銘柄が除外される一方で、ニュー・エコノミー銘柄が採用されたことで、よりニュー・エコノミー色が強い指数となった。このような指数自体の性質の変化により日経225の指数としての連続性が再度疑問視される可能性は高いと思われる。
2002.10.01
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