厚生労働省及び文部科学省では、平成14年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)を公表した。調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校から抽出した108校、5,860人を対象としており、今後12月、2月、4月にも同様な調査を行い、就職状況の推移を見ることとなっている。
これによると、10月1日現在の大学の内定率は64.1%で前年同期を0.9ポイント下回り、依然として就職氷河期は続いている。短期大学(女子のみ)にいたっては、わずか36.1%(−0.5ポイント)に止まっており、女子にとっては特に厳しい状況となっている。最終的に就職率は過去の状況から大学、短大とも90%前後に落ち着くものと見られているが、希望に沿わない職種や待遇に甘んじるケースも多い。
平成14年における大卒の初任給(男女計)は195,100円、高卒は154,000円で、ここ5年間ほとんど変化がない。
もっとも中堅社員の給与自体が、現状維持どころか減収となる人が増えている中、初任給だけを上げるわけにもいかず、企業及び新入社員の苦悩は当面まだ続きそうだ。
(表1) 大学、短期大学及び高等専門学校の状況
区分 |
就職希望率 |
内定率 |
〈参考〉
前年度卒業学生の就職率
(平成14年4月1日現在調査の結果)
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大学 |
73.2% |
(  0.9) |
64.1% |
(▲0.9) |
92.1% |
うち |
国公立 |
52.6% |
(  1.1) |
62.6% |
(▲2.9) |
92.9% |
私立 |
83.0% |
(  0.9) |
64.6% |
(▲0.3) |
91.8% |
短期大学 |
77.3% |
(▲0.4) |
36.1% |
(▲0.5) |
90.2% |
高等専門学校 |
55.0% |
(  2.5) |
93.9% |
(  1.8) |
98.3% |
総計 |
73.2% |
(  0.9) |
61.7% |
(▲0.8) |
92.0% |
(表2) 内定(就職)率の推移(大学)
厚生労働省「平成14年賃金構造基本統計調査【初任給】の概況」
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