厚生労働省は12月17日「平成12年 都道府県別生命表」を公表した。この生命表は、昭和40年より作成され以後5年ごとに実施、今回が8回目となる。
これによると、平均寿命(0歳の平均余命)が最も高い県は、男性では長野県の78.90歳で以下福井県(78.55歳)、奈良県(78.36歳)と続いている。また、女性は沖縄県の86.01歳をトップに以下福井県(85.39歳)長野県(85.31歳)となっている。長野、福井の両県は男女いずれもベスト3に入っており、総じて北陸、中部地方が高く、東北は低いという地域傾向がみられる。
また、平成7年から12年の5年間にかけて平均寿命は男性で1.01年、女性は1.40年延びたが、阪神・淡路大震災により大きな影響を受けた兵庫県を除くと、男女とも奈良県が全国平均を上回る伸び(男1.22年、女1.84年)となっている。
男女の平均寿命の差は全国で6.91年だが、最も大きな差は沖縄県の8.37年で、最も小さな差は愛知県の6.21年となっている。
長野県は平均寿命が高いだけでなく、一人あたりの老人医療費が全国一低い県でも知られている。(平成12年度における一人あたりの老人医療費は全国平均で75.8万円であったが、長野県は59.4万円―厚生労働省「平成12年度老人医療事業年報」より)
この他にも長野県は高齢者の就業率や在宅死亡率が全国一高く、65歳男性の平均余命は全国第2位であり、高齢者の就業や社会参画が、平均寿命の延びや医療費の減少と大きな相関関係があると言われている。「健康づくり」に向けて行政の指導が一層期待されるゆえんである。
順位 |
男 |
女 |
1 |
長野県 78.90歳 |
沖縄県 86.01歳 |
2 |
福井県 78.55歳 |
福井県 85.39歳 |
3 |
奈良県 78.36歳 |
長野県 85.31歳 |
4 |
熊本県 78.29歳 |
熊本県 85.30歳 |
5 |
神奈川県 78.24歳 |
島根県 85.30歳 |
順位 |
男 |
女 |
1 |
青森県 75.67歳 |
青森県 83.69歳 |
2 |
秋田県 76.81歳 |
大阪府 84.01歳 |
3 |
高知県 76.85歳 |
栃木県 84.04歳 |
4 |
佐賀県 76.95歳 |
茨城県 84.21歳 |
5 |
大阪府 76.97歳 |
福島県 84.21歳 |
厚生労働省「平成12年 都道府県別生命表の概況」より |
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