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大学は出たけれど・・・、最悪の就職率
  成人の日の13日、全国で152万人が大人の仲間入りをしたが、このうち大学生は約60万人と推定される。(表1「大学入学状況」)
  2、3年後には、これらの大学生も就職時期を迎えることになるが、現状は極めて厳しく、卒業したものの就職できない若者が一段と増えそうである。
  就職内定率が全国最低の沖縄県を例にとると、昨年11月末現在で、大学生で26.8%、高校生は25.2%の就職率に止まっている。
  就職率は平成3年をピークにバブル崩壊後年々減少傾向にあり、平成13年度は57.3%と50%台にまで落ち込んでいる。(別表2「就職率」)
  また、就職先を産業別にみると平成3年当時と比較し、製造業(28.1%→18.2%)と公務員(8.4%→4.7%)の減少が目立ち、反対に増加しているのは卸売・小売業、飲食店(13.9%→21.0%)とサービス業(26.6%→33.6%)で、必ずしも希望した職種に就職していないことがうかがえる。
  平成13年3月に大学を卒業した者は54万6,000人(男子33万6,000人、女子21万人)で、うち就職者総数(大学院などの就職者を含む)は31万2,000人にすぎない。
  残りの23万4,000人のうち、大学院などへの進学者(5万9,000人)、フリーターなど一時的な仕事(2万2,000人)、臨床研修医(6,628人)、死亡・不詳(3万人)が合計で約11万8,000人となっている。問題は大学を卒業したものの、家事手伝いや何もしていない若者が約12万人もいるということである。平成3年当時の就職率と比較すると隔世の感があり、悩めるわが国の現状を浮き彫りにしているといえよう。
  リストラや効率化を進める企業は、今や新卒の新入社員を育て、戦力化にしていく余裕もなく、大卒の就職率の好転は当面望めそうにもない。
【表1 大学入学状況】
年度 国立 公立 私立
平成3年度 521,899人 102,668人 14,473人 404,758人
平成8年度 579,148人 108,910人 18,808人 451,430人
平成9年度 586,688人 109,256人 20,235人 457,197人
平成10年度 590,743人 107,311人 21,205人 462,227人
平成11年度 589,559人 105,240人 22,629人 461,690人
平成12年度 599,655人 103,054人 23,578人 473,023人
平成13年度 603,953人 103,013人 24,125人 476,815人

【表2 大学生(男女別)就職率】
平成3年 81.3% 81.1% 81.8%
平成5年 76.2% 76.5% 75.6%
平成7年 67.1% 68.7% 63.7%
平成9年 66.6% 67.5% 64.8%
平成11年 60.1% 60.3% 59.8%
平成13年 57.3% 55.9% 59.6%
データはいずれも文部科学省「平成13年学校基本調査報告書」より
2003.01.21
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