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窓販解禁から4カ月の動向について
  昨年10月に銀行での変額年金の販売が開始されてから、まもなく4カ月が経過する。16社の生命保険会社が銀行向けに変額年金商品を提供しているが、外資系、特にハートフォード生命の健闘が際立っている。
  ハートフォード生命では3種類の変額年金商品を取り扱っているが、銀行向けには「アダージオ」シリーズを提供している。「アダージオ」の主な特徴は、死亡保障に最低保証があり、さらに特約を付加すると運用成果に応じて最低保証額がステップアップすること、災害死亡のときには基本保険金額の2割が加算されること、取扱銀行ごとに特別勘定の投資信託が設定され、ラインアップも豊富であることなどが挙げられる。
  一方、他生保の変額年金商品と比較して、保険契約の維持・管理に必要な保険関係費用は高めに設定されている。変額年金は、運用成果に基づき将来受け取る年金額が変動する商品であることを考えると、契約者にとって固定的にかかるコストは少しでも安い方が有利であることは間違いない。にもかかわらず販売が好調なのは、リスク性の金融商品でありながら、最低保証といったものに安心感を求める顧客にマッチしたこと、販売戦略上当初から比較的高い年齢の富裕層にターゲットを絞ったことが功を奏したといえる。
  変額年金の重要な要素である投資信託については、取扱銀行系列の運用会社の投資信託を設定している商品が多いが、系列にかかわらず幅広く採用されているのがフィデリティ投信の投資信託である。
  フィデリティ投信では生保11社に対し、「フィデリティ・日本成長株・ファンド」を始め、9種類の投資信託を提供している。フィデリティ投信の投資信託を採用している変額年金は実に64商品にも及び、ある意味では「汎用ファンド」ともいえる位置付けになっている。
[フィデリティの主な投資信託と採用商品数(平成14年12月末現在)]
  • フィデリティ・日本成長株・ファンド53商品
  • フィデリティ・日本小型株・ファンド8商品
  • フィデリティ・バランス・ファンド10商品
  • フィデリティ・マネー・オープン21商品
  この4カ月で、変額年金の売れ筋商品や顧客層、加入金額の傾向などが見えてきている。また、変額年金ほど話題にはなっていないものの、定額の個人年金もニーズが高いようである。
  現在のところ、銀行窓販に新規参入する生保あるいは提供する新商品については一段落した感があり、投資信託の追加や取扱金融機関の拡大が中心となっている。変額年金の顧客層は、主力商品が販売ターゲットとしてきた顧客層より年齢が高いこともあり、生保側からみても新たな分野といえる。また、将来の銀行窓販のフルオープンをにらんで、今後とも生保各社の動向に注目が必要である。
2003.01.28
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