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花粉症患者に警告、今年は大量飛散が予測
  スギ花粉症患者にとっては、スギ花粉が飛散し始める憂うつな2月を迎えた。
  日本におけるスギ花粉症の患者は、人口の16%にあたる約2,000万人と推定されており、また、その経済的損失は2000年時点で「医療費」が1,117億円、薬代などの「医療関連費」が1,088億円、「労働損失」が601億円、合計2,860億円に上るという。(旧科学技術庁「スギ花粉症克服に向けた総合研究調査」)
  例年、2月上旬から多くの花粉が飛散するようになるが、NPO花粉情報協会によると、今年は一部地域を除き過去10年間平均の2倍になる予測だという。
  スギ花粉は前年の気候により飛散量が左右されるが、特に猛暑が続いた近畿地方は、昨年の5〜6倍になると同協会では警告している。
  植物の花粉が原因で、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を起こす病気を花粉症というが、都市化とともに増え、さらに幼児や高齢者などにも広がりそうな勢いだ。今までは何ともなかった人でも、ある日突然発症し、一度花粉症になると翌年以降も再び症状が出るというからやっかいな病気である。しかも、病院に行って治療を受けても完治しないケースが多い。ほとんどの人はマスクやゴーグルなどの花粉症グッズで対応し、我慢しているのが実情である。
  日本では花粉症の8割はスギであるといわれているが、イネ科、ブタクサの花粉症も多く見られる。また、果樹園やハウス栽培などで働く人には、職業性花粉症が起こることもある。
  いずれにしても、年々増加する花粉症患者とスギ花粉の大量飛散に対して、有効な対策が立てられないのが現状である。
2003年スギ・ヒノキ花粉飛散開始時期予測
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2003.02.04
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