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活字離れの時代に図書館が増加
  財団法人日本図書館協会の『日本の図書館統計2001』によると、2000年4月現在、全国の公立および私立図書館数は2,681で、前年比+42、前々年比では+96と毎年増加していることが分かった。2,681の図書館のうち、都道府県立図書館が65、私立図書館は26だが、増えているのは市区町村立の図書館である。
  これら公共図書館の蔵書冊数は2億9,913万3千冊で、年間購入は1,726万6千冊となっている。また年間貸出冊数は5億3,270万3千冊で、蔵書回転率(貸出冊数÷蔵書冊数)は1.8回となっている。

  小さな町や村にも立派な図書館がつくられており、例えば、人口6,000人余りの北海道様似(さまに)町の図書館(写真参照)は、蔵書冊数は約74,000冊だが、町民1人当たりの利用回数は年1.5回である。(1999年度)
  一方、大学図書館(国公私立大学、短期大学、高等専門学校)は1,640あり(2000年現在)、蔵書数は2億6,693万9千冊で、前記の公共図書館の冊数にほぼ匹敵するが、学生に対する貸出数はわずかに2,340万9千冊(回転率0.1回)にとどまっており、若者の読書離れが顕著に表れた結果になっている。
  インターネットやCD、DVDが主流の時代、図書館を利用しているのは主に高齢者であることから、若い世代にも魅力的なものとするため、さまざまな工夫や趣向を凝らしているところもある。
  山梨県大泉村の八ケ岳大泉図書館は21世紀のあるべき図書館をイメージしてつくられた。利用できるのは書物だけではなく、コンピューターやインターネットを使って世界中の電子情報資料を検索でき、ビデオやCD鑑賞が可能な「マルチメディアコーナー」を設けている。さらに映画や音楽を楽しむ「SVホール」や、音楽を聴きながら心身ともにリラックスできる「ボディソニック」があり、夜10時まで部分開館しているなど、まさに至れり尽くせりの設備となっている。
  図書館のみならず、美術館や史料館、文学館などの公立施設が、公費の無駄遣いとならず、本当の意味で地域住民のためになるには、地域の活性化にいかにつなげていくかが問われるだろう。
参考:財団法人日本図書館協会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/)
2003.03.25
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