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転勤の多いサラリーマンに朗報!
「住宅ローン控除」の再適用が、控除期間内なら何度でも可能に
  平成15年度の税制改正で、控除期間内であれば、「住宅借入金等特別控除(以下、「住宅ローン控除」)」の再適用が何度でも可能になった。転勤などでいったんその住宅に住まなくなった後、再度入居した場合でも、一定の要件の下で、「住宅ローン控除」の再適用が受けられるようになった。しかも控除期間内であれば、何度でも再適用が可能ということで、転勤の多いサラリーマンにとっては非常にメリットのある改正といえる。この改正は、平成15年4月1日以後に居住の用に供しなくなった場合について適用される。
  「住宅ローン控除」とは、住宅ローンなどを利用して、一定の要件を満たす住宅の取得等をして居住した場合に、居住した年から一定期間、一定額が税額控除されるというものだ。
【住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)】
居住を開始した日 控除期間 住宅ローン年末残高 控除率
平成11年1月1日から
平成13年6月30日まで
15年間 5,000万円以下の部分について 1年目〜6年目:1%
7年目〜11年目:0.75%
12年目〜15年目:0.5%
平成13年7月1日から
平成15年12月31日まで
10年間 5,000万円以下の部分について 1年目〜10年目:1%
平成16年1月1日から
平成16年12月31日まで
26年間 3,000万円以下の部分について 2,000万円以下の部分:1%
2,000万円超3,000万円
以下の部分:0.5%
  これまでは単身赴任などの場合を除き、転勤などで家族とともに転居して、その後再びその住宅に入居しても、「住宅ローン控除」の再適用を受けることができなかった。しかし、今回の税制改正で、再入居後、「住宅ローン控除」の適用を再び受けることができるようになった。
  再入居した年にその住宅を賃貸していた場合には、その再入居した年の翌年以後からの適用となる。さらに控除期間内であれば何度でも再適用が可能であり、転居と再入居を繰り返す場合にも対応できる。ここで注意しなければならないのが、控除期間内であるという点だ。「住宅ローン控除」は、居住を開始した日によって控除期間が決まっており、再適用が可能なのはこの特例の適用を最初に受けたときの控除期間内でなければならない。居住していなかった期間については、「住宅ローン控除」の適用はなく、また再適用が受けられる場合であっても、「住宅ローン控除」の控除期間は延長されない。
【住宅ローン控除の適用例】
●改定前
住宅ローン控除の適用例/改定前
●改正後(平成15年4月1日から適用)
住宅ローン控除の適用例/改定後
   「住宅ローン控除」の恩恵を受けている人も多く、転勤の多いサラリーマンにとっては非常に有益な改正といえる。
  平成15年度の税制改正では、「相続時精算課税制度」が創設され、大型の生前贈与が可能となり、住宅取得資金も準備しやすくなった。また、登録免許税や不動産取得税などの税負担の軽減も行われ、マイホームの取得には絶好の機会である。土地・住宅税制の見直しが、日本経済の活性化に結びつくことを期待したい。
【住宅ローン控除の再適用を受けるための手続き】
■その家屋に居住しなくなる日までに
次の届け出書などを、その家屋の所在地を所轄する税務署長に提出することが必要である。
(1) 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」(税務署に用意)
(2) 未使用分の「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」および「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」(税務署長から交付を受けている人のみ)
■その家屋に再び居住したとき
住宅借入金等特別控除の再適用を受ける最初の年については、確定申告を行う必要がある(申告した翌年以後は、税務署長から再居住者用の「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」の交付を受けている給与所得者については年末調整により適用を受けることができる)。なお、再適用を受ける場合の確定申告書には、次の書類の添付が必要である。
(1) 「住宅借入金(取得)等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した人用)」(税務署に用意)
(2) 住民票の写し
(3) 金融機関などから交付を受けた「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
2003.04.15
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