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組織内の不正を「通報する」人は半数以上
●「公益通報者保護制度」を検討
  規制緩和やIT化の進展、グローバル化など、企業や消費者を取り巻く環境は大きく変化し、それに伴って企業の不祥事も多発している。これらの不祥事は内部告発によって明るみになったものが多く、このような公益に資する情報を提供した人を保護する制度の構築が求められている。
  内閣府国民生活局では、「公益通報者保護制度」策定の参考とするために、新たな消費者政策の在り方に関する意識調査を実施し、3月27日に「平成14年国民生活モニター調査」として結果を公表した。
  これによると、消費者政策の現状評価は、「規格・計量(JAS制度、JIS制度)」および「製品(食品を除く)サービスの安全」については他の分野と比較して、「進展している」と評価した人の割合が高かった。
  一方、「消費者金融」や「銀行、証券会社、保険会社などとの金融取引」については「ほとんど進展していない」とする割合が高く、金融業界に対する厳しい見方が顕著である。「法令順守のための体制整備」も「あまり進展していない」「ほとんど進展していない」と評価する人が51.9%、「消費者に対する情報開示を積極的に行う」べきと考える人は84.7%に達している。
  また、「組織内で不正等が行われていると知ったとき、その情報を通報するか」の問いには「通報する」または「不正や違法行為が重大な場合は通報する」と回答した人が合わせて56.5%と過半数を占め、「通報しない」と答えた人(7%)を大きく上回っている。通報しない理由としては「勇気がないため」(33%)、「上司などから報復される」(22.3%)などが挙げられている。
  内部告発の通報者は、その企業にいづらくなったり、場合によっては生命の危険にさらされることもある。アメリカではこうした事態に備え、既に「通報者保護制度」があるが、日本ではまだ検討段階に入ったばかりだ。今回の調査結果を基に、果たして制度として発足するかが注目される。
  【不正を知ったとき通報するか?】
不正を知ったとき通報するか?
  【通報しない理由は?】
通報しない理由は?
内閣府国民生活局「平成14年度国民生活モニター調査(12月実施)調査結果」より作成
2003.04.22
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