>  今週のトピックス >  No.610
単身世帯の食事スタイル
〜平成14年総務省「家計調査(総世帯・単身世帯)」家計収支編より〜
  「平成12年国勢調査」によると、国内の世帯総数に占める単独世帯の割合は27.6%に上る。単独世帯と2人以上の世帯の生活で大きく異なるであろうものの一つに、食事が挙げられる。これら二つの世帯の食料に関する支出は、生活費全体に対してどのくらいだろうか。また、性別と年齢別でも食料に関する支出の内訳を比較してみよう。
●単身者の外食割合は2人以上世帯の2.4倍
  下の図は総務省の「家計調査(総世帯・単身世帯)家計収支編」(平成14年)の、単身世帯(国勢調査では「単独世帯」と呼称)と2人以上の世帯の1人当たり生活費(消費支出)の内訳を比較したものである。
  単身世帯、2人以上の世帯とも、消費支出全体に対して食料の割合は同率の23.3%であった。ところが食料費のうち「外食」については、単身世帯9.4%、2人以上の世帯3.9%と、単身世帯の1人当たり「外食」の比率が2人以上の世帯の2.4倍になる。単身者が外食をする度合いが多いことを支出面から示しているといえよう。
【1カ月1人当たり消費支出の内訳】
(平成14年、全国・全世帯)
1カ月1人当たり消費支出の内訳
●女性や高齢者層は外食よりも家で料理
  それでは、単身世帯すべてで「外食」の割合が高いのだろうか。次の図は単身世帯の性別、年齢別に食料に関する消費支出を、「素材となる食料」(穀類、魚介類、肉類、乳卵類、野菜・海藻、果物)、「調理済みの食料」(菓子類、弁当など調理食品)、「外食」、「その他」(油脂・調味料、飲料、酒類、賄い費)に分けて、それぞれの食料に占める割合を比べたものである。
【1カ月1人当たり単身世帯の性別、年齢階級別「食料」の構成比】
(平成14年、全国・全世帯)
1カ月1人当たり単身世帯の性別、年齢階級別「食料」の構成比
  性別では、男性の「外食」の割合が50.8%と高くなっている。一方女性では「素材となる食料」の割合の高さ(44.7%)が特徴的で、「外食」(24.4%)よりも家で料理をする単身女性が比較的多いと推測できる。男性単身者と女性単身者の1カ月間の外食支出は、25,343円対7,722円であった。
  年齢階級別にみると、「外食」の割合は35歳未満が最も高くなっている(56.7%)。「外食」の割合は35〜59歳で45.3%、60歳以上19.0%と年齢が上がるにつれて低下している。「外食」と反対の傾向をたどるものが「素材となる食料」で、35歳未満の割合は少ないが、年齢階級が上がると上昇している。
  「家計調査」から、単身世帯の性別、年齢別で食事のスタイルに違いがあることが推測できる。また、このことから、主に35歳未満など若い年齢の男性における「外食」支出の多さが、単身世帯の消費支出における「外食」割合を押し上げているということができるだろう。
参考:総務省統計局「平成14年家計調査(総世帯・単身世帯)」調査結果
2003.04.29
前のページにもどる
ページトップへ