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健康増進法で愛煙家はますます肩身が狭く
●国民の健康な生活習慣のために
  平成14年8月2日に公布された「健康増進法」が、平成15年5月1日から施行された。
  この法律の目的は、「我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ること」となっている。また、国民に対しては、「健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努め」ることを責務として求めている。
  この法律は、特定給食施設等(特定かつ多数の者に対して継続的に食事を供給する施設のうち栄養管理が必要なものとして厚生労働省令で定めるもの)に対する指導・管理や、特別用途(乳幼児用・病者用等)食品に対する適格表示の許可及びその検査などが中心だが、第五章第二節に「受動喫煙の防止」の条項があり、喫煙に対しても言及されている。
第五章 第二節 受動喫煙の防止

(第二十五条) 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
●私鉄8社が全駅終日禁煙に
  早速健康増進法を受けた動きが出てきており、首都圏の私鉄8社は駅を全面禁煙にする措置を取っている。今までは、ラッシュ時の禁煙タイムの設定や分煙化(喫煙コーナーの設定)などを行っていたが、守られていないなどの苦情が多く、健康増進法の施行もあり、喫煙所を全廃して駅構内を全面禁煙としたものである。JR東日本は、現時点ではまだ追随しないようだが、早晩全面禁煙になると思われる。
  上記の条文では、事務所、飲食店、その他の多数の者が利用する施設が対象となっており、文字通り受け取ると日常生活の中での喫煙は全く不便なことになりそうだ。
  受動喫煙の防止が明文化されたことに伴い、タバコを吸わない者からの喫煙に対するクレームが今まで以上に増え、愛煙家はますます肩身が狭くなることが予想される。
2003.05.13
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