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物価スライドで減額の公的年金は6月給付分から
●消費者物価指数の下落分を反映
  国民年金や厚生年金などの公的年金額は、平成15年4月分から、平成14年の全国消費者物価指数の下落分(マイナス0.9%)を反映した物価スライドが行われる。
  昨年まで80万4,200円(満額受給)の老齢基礎年金は、今年度79万7,000円となり、年間7,200円のマイナスとなる。おおむね、受給している年金額に乗率0.991を乗じた額が改定額となる。
  年金の物価スライド制は、年金の実質的価値を維持するために物価上昇・下落に応じて年金額の改定を行うため、個々人の年金額の高低にかかわらず対象になる。資産がほとんどなかったり、公的年金だけが収入源の高齢者にとっては、減額はたとえわずかでも家計に影響することが考えられる。
  年金額は4月、5月の2カ月分を6月15日に給付するため、社会保険業務センターから6月上旬までに該当者に「年金額改定通知書」が発送される。このため、事前に公表されていたとはいえ、改めて自分の減額された年金を目にし、照会や質問など混乱が起きそうだ。
  公的年金については、来年度に5年ごとの見直しを控え、現在さまざまな改正案が議論されているが、受給者にとっては一段と厳しい内容になりそうである。
【物価スライド改定が行われる給付の例(物価の変動により改定されるもの)】
・老齢基礎年金の年金額
・遺族基礎年金の年金額
・障害基礎年金の年金額
・配偶者加給年金額および、子の加算額
・老齢厚生年金の定額部分の年金額および、報酬比例部分の年金額
・遺族厚生年金の年金額
・障害厚生年金の年金額 など
  
【物価スライド改定が行われない給付の例(賃金の変動により改定されるものなど)】
・船員保険の職務上の障害年金
・船員保険の職務上の遺族年金
・障害手当金
・脱退手当金
・外国人の脱退一時金
・国民年金の付加年金 など
  

参考:社会保険庁ホームページ

  
【消費者物価指数の総合指数の動き】
消費者物価指数の総合指数の動き
  

総務省統計局「平成12年基準消費者物価指数(全国・平成14年平均)」

2003.06.03
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