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一人暮らし高齢者の介護に関する意識と在宅福祉サービスの利用状況
〜内閣府「高齢者の健康に関する意識調査結果」(平成14年12月調査)より〜
  65歳以上の高齢者で一人暮らしの人の割合は、昭和55年には男性4.3%、女性11.2%だったが、平成12年には男性8.0%、女性17.9%となり、平成32年には男性12.4%、女性18.9%と、増加傾向が続くと予想されている(国立社会保障・人口問題研究所推計)。
  自分や家族の介護について、多かれ少なかれ不安を持つ人は多いが、一人暮らしの高齢者の場合、特にその不安感は強いのではないだろうか。内閣府が発表した「高齢者の健康に関する意識調査結果」から、介護に関する意識や、介護サービス(在宅福祉サービス)の利用状況について、高齢者の一人暮らし世帯と他の世帯(夫婦のみ世帯、三世代世帯、高齢者総数)を比べたい。
● 高齢者の一人暮らし世帯で不安感が強い
  図1は「将来身体が虚弱になって、日常生活を送る上で、排泄等の介護が必要な状態になるのではないかと不安になることがあるか」について、65歳以上の人に聞いたものである。一人暮らしの高齢者で、不安になることが「よくある」「ときどきある」人は56.3%と5割を超え、夫婦のみ世帯や三世代世帯よりも、介護が必要になる不安感を持つ人が多いことが分かる。
【図1  介護が必要になる不安】
図1  介護が必要になる不安
● 在宅福祉サービスの利用状況
  次に、実際に介護サービスを受けている状況をみてみよう。
  図2は「ふだんどのような在宅の福祉サービスを主に利用しているか」に対する回答であり、在宅の福祉サービスを利用している場合の種類と利用していない割合をグラフで示している。
  一人暮らし高齢者で在宅福祉サービスを利用していない割合は85.9%と、夫婦のみ世帯や三世代世帯よりも低く、在宅福祉サービスを受けている割合が高い。具体的には、ホームヘルプサービス(訪問介護)やデイサービス(日帰りの通所介護)を多く受けていることが分かる。
【図2  在宅福祉サービスの利用状況(複数回答)】
図2  在宅福祉サービスの利用状況(複数回答)
図1、2の出典:内閣府「高齢者の健康に関する意識調査結果」(平成14年12月調査)
  また、総務省の「国勢調査報告」から、25〜49歳の人の未婚率の推移をみると、男女とも未婚率は上昇傾向となっている。
  「高齢者の健康に関する意識調査結果」と併せると、未婚率の上昇により、現在25〜49歳の層で将来的に私的介護保険のニーズが高まると予想される。
【図3  年齢階級別未婚率の推移】
図3  年齢階級別未婚率の推移
図3  年齢階級別未婚率の推移
図3の出典:総務省統計局「平成12年国勢調査報告」
2003.06.09
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