> 今週のトピックス > No.642 |
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政府税調中期答申『少子・高齢社会における税制のあり方』にみる税制改正の方向性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 将来の日本を支える税制のあり方を提案
政府税制調査会は、6月17日、税制改革の中期答申『少子・高齢社会における税制のあり方』を公表した。「少子・高齢化と税制」という論点の中で、「高齢者に対する課税の見直し」「消費税率の引き上げ」「相続税・贈与税の課税ベースの拡大」などが盛り込まれており、今後の税制改正の方向性をうかがうことができる。
![]() ![]() 政府税制調査会は、昨年6月に『あるべき税制の構築に向けた基本方針』をとりまとめ、中長期的視点から、持続的な経済社会の活性化を実現するための、わが国税制のあるべき姿の全体像を示した。そして今回、この「基本方針」の内容をさらに深め、国と地方の両者一体で中長期的視点に立ったわが国税制のあり方について提案を行うものとして、『少子・高齢社会における税制のあり方』を公表した。
「少子・高齢化と税制」「地方分権と税制」「その他の課題(金融・証券税制、納税環境整備、環境問題への対応、国際課税、不良債権処理と税制)」と、内容は多岐にわたっている。このうち「少子・高齢化と税制」という論点の中で、少子・高齢社会を支える税制は、
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![]() という三つの視点に基づき、改革に取り組んでいく必要があるとしている。
これを受け、個別税目の改革に対する考え方として、個人所得課税、消費税、法人課税、相続税・贈与税のそれぞれについて、基本的考え方と今後の課題という形でまとめられており、以下がそのポイントとなる。
![]() 【「少子・高齢化と税制」におけるポイント】
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![]() ![]() ● 来年度以降の税制改正の動向に注目せよ
さらに補足をすると、(これは具体的に明記されているわけではないが)相続税については、早くも来年度の改正案として話題になっているものがある。それは、相続税の基礎控除額を引き下げるというものだ。
現在は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」で計算されているが、これが見直され、一説によれば2割程度引き下げられるともいわれている。現在の「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」という基礎控除額は平成6年に見直されたもので、バブル時代の経済情勢を反映したものだ。そのため見直しの必要あり、ということのようだが、実はこの件については、今年度の税制改正でも検討されたが見送られたという経緯がある。
![]() 【相続税の基礎控除額の見直し】
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![]() 政府税制調査会が取りまとめた『少子・高齢社会における税制のあり方』における論点は、現段階での方向性であり、改正として確定したものではないが、何事にも先手をうつためには情報収集に努め、その動きを絶えず追っていくことが大切である。
特に相続税に関しては、今年度の税制改正で「相続時精算課税制度」なるものが創設され、かなりの波紋を呼んでいる。そして来年度は、基礎控除額が見直され引き下げられる可能性が高い。もちろん改正はこれだけというわけではないが、税制改正の動向からは目が離せない。
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2003.06.23 |
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