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選択肢が広がった外貨建保険
● 円・ドル・ユーロの三つの通貨で長期の資産形成が可能に
  GEエジソン生命から、生命保険では国内初となるユーロ建個人年金保険「ユーロ君」が発売された。GEエジソン生命では、すでに市場連動型個人年金「えんドル君(ドル建タイプ)」を販売しているが、今回ユーロ建商品をラインアップに加えたことで、円をはじめ、ドル、ユーロの三つの通貨による長期の資産形成が可能になった。
  「ユーロ君」の商品内容は、ユーロベースの予定利率が適用になることを除けば「えんドル君」とほぼ同じである。予定利率はユーロの市場金利に応じて毎月設定されるが、2003年7月の予定利率は1.91%となっており、一般の個人年金保険の予定利率が1%から1.5%であることからすると、年金商品としては高めの設定でスタートした。
  なお、予定利率は契約時の利率が据置期間中(10年または6年)継続し、途中で変更されることはない。
  外貨建の生命保険は外資系生保で販売されており、今のところ国内生保での取り扱いはない。個人年金のほか終身保険、養老保険が販売されているが、7月現在の主な商品ラインアップは次のとおりである。
1.個人年金保険
  ・アリコジャパン    「レグルス(銀行窓販用はシリウスプラス)」
  ・GEエジソン生命  「えんドル君」
  ・GEエジソン生命  「ユーロ君」
2.終身保険
  ・アリコジャパン          「積立利率変動型終身保険(米国通貨建2002)」
  ・プルデンシャル生命  「米国ドル建終身保険」
3.養老保険
  ・AIGスター生命  「米国ドル建養老保険」
● 予定利率が高いが、為替リスクを考えた運用を
  外貨建商品に共通する特徴は、予定利率が外貨の市場金利に連動するという点である。保険料の払い込みや解約返戻金・保険金・年金などの支払いは外貨によるが、特約を付加することにより円での取り扱いが可能だ。なお、円に換算する場合は、当然のことながら為替の影響を受けることになる。
  GEエジソン生命では昨年10月の銀行窓販開始に合わせ、千葉銀行、三重銀行で「えんドル君」の取り扱いを開始した。2002年10月から2003年1月までの2行における販売実績は、件数にして2,300件、保険料では78億円となっており、現在では10行庫で取り扱いを行っている。
  また、終身保険を販売するプルデンシャル生命では4.5%という高い予定利率を背景に、2002年度のドル建終身保険の新契約が保険金額ベースで前年度比3.8倍の836.4億円(1ドル=120.20円で換算)、件数ベースで同4.3倍の9,857件に達した。プルデンシャル生命の総新契約高に占めるドル建終身保険の割合が保険金額ベースで3.21%、件数ベースでは6.10%を占めるまでに進展した。
  いずれの商品も、単に外貨を活用した資産形成ということだけでなく、予定利率の高さが販売好調の要因といえる。
  国内の低金利を受けて外債投資が注目される中、生命保険でも海外の有利な市場環境を利用した商品が注目されるのは当然といえるが、生命保険の場合、契約期間が長期にわたるという商品上の特性もあり、あくまで分散投資の一助として考える必要があるだろう。
2003.07.14
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