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消費性向が20〜40代で大きく低下
  長引く不況による雇用環境の変化で、勤労者世帯の消費性向は依然低水準にある。年齢別に消費性向をみると、60歳以上の高齢者層は大きな変化がみられないが、20〜40代では大きく低下していることが内閣府の「平成15年版国民生活白書」で明らかになった。
  特に30代が最も落ち込んでおり、実数でも各年代を通して一番低くなっている。従来、消費の主役といわれた20代の若者も30代に次いで大きく低下しており、消費低迷の要因となっている。
  このように、40代までの世帯を中心に消費性向が落ちているのは、リストラや賃金の減少など、雇用・所得環境の先行きに対して不安を抱いているためだと内閣府では分析している。
  「平成14年国民生活基礎調査の概況」によると、「29歳以下」と「60〜69歳」の世帯主の家計消費支出を比較すると、若者はアパートなどの「住居」や「車」、「携帯電話」に相当のお金がかかっているのに対し、高齢者は「住居」や「車」にかけるお金が若者の半分以下で、「携帯電話」にいたっては、ほとんどかかっていない。その分、高齢者は旅行や交際費、教養・娯楽費などに回す余裕が生じる。
  さらに、1世帯あたり平均所得額が60代では563.9万円なのに対し、20代は340.6万円と収入面でも開きがある。このため、これからの消費の主役は、若者から高齢者へ移行していくものと思われる。
消費性向
  可処分所得のうち、貯蓄に回されず消費支出された額が占める比率。(可処分所得とは実収入から税金等を差し引いた額)
【20〜40代までの消費性向は大きく低下】
20〜40代までの消費性向は大きく低下
(備考) 1.総務省「家計調査」により作成
  2.全国・勤労者世帯における1世帯の1カ月当たりの平均消費性向
  3.各年齢層ごとに3年移動平均で算出
2003.07.28
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