> 今週のトピックス > No.663 |
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危ぐされる災害による損保支払保険金の巨額化 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ●損害保険の準備金が積み増しされる
震度6以上の連続地震が多発した宮城地震により、建物、道路などの損害以外にも、夏休みを控えたホテルのキャンセルが相次ぐなど、観光などへの深刻な影響が出始めている。
内閣府の「平成14年版防災白書」によると、わが国の年平均の有感地震は1,300回程度(平成13年は1,513回)で、このうち、マグニチュード6.0以上は20回前後発生している。また、台風上陸数は年平均2.6回、火山の噴火は年平均5回など、世界全体に占める災害の発生割合が非常に高くなっている。このため、災害被害額は、世界の被害総額の18.0%を占めており、巨額化の傾向にある。(別表参照)
![]() こうした大規模な自然災害が増えた結果、損保会社の支払保険金が巨額になっている。自然災害や大火事などに備える「異常危険準備金」は2002年3月末、業界全体で8,013億円積み立てられているが、このままでは将来不足することが懸念されてきた。
6月25日には「東南海、南海地震対策特別措置法」が施行され、中央防災会議の専門委員会では、この地震による経済被害額を最大56兆円、また東海地震の場合は37兆円と推計している(阪神・淡路大震災は13兆円)。
伊勢湾台風と同規模の台風が来た場合、保険金支払額は8,000億円を超えることが確実とされ、金融庁では損保各社に大幅な積み増しを求める方針だ。2004年にも法改正のうえ実施されれば、保険料の値上げになる可能性が高い。
続発する地震、豪雨などによる被害は、従来の想定を覆し保険料計算の基礎を揺るがしているといえるだろう。
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2003.08.04 |
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