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喫煙の規制、欧米でさらに強化
●切手の絵柄からたばこが消えた
  下の写真1は、アメリカが6月11日に発行したオードリー・ヘップバーンの20面シート切手で、代表作の映画「ティファニーで朝食を」の有名なシーンを図案にしている。本来ならヘップバーンは左手にシガレットホルダーを持って、先端からたばこの煙が上がっていたが、実際に発行されたシートはホルダーの先をカットしてレイアウトされた。
  世界的な禁煙傾向に配慮したもので、たばこを巡る論議は切手の図案も左右している。ドイツでは、スティックをくわえたヘップバーンの切手を発行準備したが、遺族が喫煙中のように見えるとして許可せず、不発行になったこともある。
  パイプや葉巻がトレードマークだったマッカーサー将軍やチャーチル首相などは、写真2、3のように、過去には多くの国からたばこをくわえている図案の切手が発行されていた。しかし、今の時代ならばさしずめ非難の嵐にさらされることになるだろう。アメリカでは「喫煙者」は「肥満」と同様、自己管理ができない人とされているからだ。
  欧州連合(EU)では、たばこのテレビ広告がすでに禁止されており、2005年からは新聞、雑誌、インターネット上の広告も禁止される予定だ。昨年10月には、64歳の女性がたばこ最大手フィリップ・モリスを相手取った裁判で、アメリカのカリフォルニア州高等裁判所の陪審団が280億ドル(約3兆4,000億円)の懲罰的損害賠償金を支払うよう同社に命ずる評決を下し、高額な賠償金として話題になった。
  このような喫煙規制の波は今後も続き、かつての映画の喫煙シーンも、切手のようにリバイバル版からはカットされることがあるかもしれない。
【写真1  アメリカ「オードリー・ヘップバーン」】
写真1  アメリカ「オードリー・ヘップバーン」
【写真2  アイスランド「マッカーサー将軍」】
【写真3  マーシャル諸島「チャーチル首相」】
ちなみにパイプを消したらこんな姿に!
さまにならない?
写真3  マーシャル諸島「チャーチル首相」
写真2  アイスランド「マッカーサー将軍
資料提供:(財)切手の博物館
2003.08.11
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