> 今週のトピックス > No.668 |
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厳しい健康保険(政府管掌)の平成14年度決算 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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〜過去の積立金が枯渇!〜 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ●少子高齢化や経済情勢により財政状況が厳しくなった
社会保険庁が平成14年度の政府管掌健康保険の決算を発表した。平成14年度単年度の収支決算は、介護分が581億円の黒字*だったが医療分の6,169億円の赤字が大きく、全体で5,588億円の大幅赤字となった。その結果、今まで積み立ててきた事業運営安定資金を取り崩すことになり、昭和59年度以降に生じてきた剰余による積立金(事業運営安定資金)が枯渇してしまった。平成5年度から実質10年連続赤字で、今回の赤字決算額は過去最大で厳しい財政事情となった。
財政の収入面の基礎的数値は、少子高齢化や経済情勢などによって被保険者数や保険料徴収のもとになる診療報酬などがかなり厳しい状況になっている。過去10年間の推移では、被保険者数は、平成9年度の2,026万人をピークに毎年減少を続け、平成14年度は約100万人減少して1,916万人となった。また、標準報酬月額は平成10年度の292,437円をピークに毎年減少を続け、平成14年度は約5,000円減少して286,979円であった。
一方、保険給付費は自己負担割合の引き上げなどのさまざまな制度改正により、平成14年度の41,008億円が最も少なくなっている。また、老人保健拠出金が平成5年では14,927億円であったものが平成14年度では23,288億円となっている。保険給付費と老人保健拠出金とを対比すると、平成5年では1:0.35だったのが平成14年度には1:0.57と開いており、今後、老人保健拠出金の負担がさらに重くなってくると思われる。
![]() 平成15年度は、保険料の引き上げ、自己負担割合の引き上げといった改正により、収支とも財政上は改善されると予測されている。平成15年度予算では、下図のとおり全体の収入が74,382億円、支出が73,851億円となっており、単年度では531億円の黒字となっている。しかし、基礎的数値が厳しい状況にあり、黒字基調はそれほど続かないと思われる。また、自己負担率アップや保険料率の引き上げが議論されることが予想される。
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![]() 【政府管掌健康保険の平成14年度単年度収支決算(全体)】
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![]() 【政府管掌健康保険の平成14年度単年度収支決算(全体)】
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![]() 出典:社会保険庁ホームページ
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2003.08.11 |
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