> 今週のトピックス > No.672 |
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日本税理士連合会が『平成16年度・税制改正に関する建議書』を提出 | ||||||||||||||||||||||
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![]() 日本税理士連合会は、「平成16年度・税制改正に関する建議書」を関係諸官庁に提出した。本建議書では、平成16年度の税制改正に関する意見を税目ごとに分けて整理し、56項目の改正意見が、その改正理由とともに記載されている。昨年は、税制改正項目として7項目が認められており、平成16年度の税制改正の検討に際し、重要な意見になると思われる。改正意見のうち、「本年の建議として新たに取り上げた項目」および「昨年からの継続している項目ではあるものの、内容を大きく見直した項目」は次のとおりである。
![]() ■本年の建議として新たに取り上げた項目
![]() ■昨年からの継続項目ではあるものの、内容を大きく見直した項目
![]() 日本税理士連合会では、各税理士会がまとめた441項目に及ぶ建議事項について、これを集約し、平成16年度の税制改正に関する意見として取りまとめを行った。建議書にはこの441項目の改正意見のうち、特に重要な56項目が盛り込まれている。建議書の冒頭には、"この建議書は、税務に関する専門家としての立場から国民的な視点に立って、全税理士会の総意として一つにまとめたものであり、わが国経済の発展を目指しつつ、公平かつ合理的な税制の確立と、申告納税制度の維持・発展を目的とするものである。"とある。この中の"税務に関する専門家としての立場からの国民的な視点"に関しては、基本的な視点を次の五つに置いていると言っている。
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![]() 先に述べたように、記載してある56項目の改正意見のうち、5項目が本年の建議として新たに取り上げられたが、この中に"金融所得"という新しい考え方が組み込まれているので紹介したい。
金融商品から派生する所得については、その所得区分が必ずしも明確ではなく、課税上の取り扱いが多岐にわたりすぎることから、利子、配当、株式譲渡をはじめ外貨建預金の為替損益、投資信託の償還損益などの金融資産による所得を「金融所得」として一元化することによって課税しようとする考え方である。金融所得から生じた損失については、金融所得相互間での損益通算を可能とし、さらに損失の繰越控除を認めるべきであるとするなかなか合理的な発想である。平成15年度の税制改正においても、金融・証券税制面でひととおりの整理がなされた。しかし、税理士等の専門家でも頭をかかえている現状をみれば、それでもまだまだ複雑と言わざるをえない。早急の実現を期待したい。 ![]()
![]() <参考>その他改正要望事項(抜粋)
![]() 【所得税関係】
○青色事業専従者に係る届出制の廃止と退職給与の必要経費算入
○給与所得者に対する確定申告の導入と給与所得控除の見直し
○「エンジェル税制」の拡大・拡充
○高額所得者の公的年金控除額の縮減と年金受給者の納税手続きの簡素化
○居住用財産の譲渡損失の繰越控除
○基礎的人的控除の整理合理化 など
![]() 【法人税関係】
○交際費課税制度の抜本的見直し
○中小法人に対する軽減税率の適用金額の拡大
○同族会社の留保金課税制度の廃止
○欠損金の繰戻し還付制度の再開
○中小法人に対する延納制度の復活 など
![]() 【相続税・贈与税関係】
○財産評価の法定化
○保険金および退職金の非課税限度額の引上げ
○相続財産に関する費用等の控除
○保証債務の履行に基づく更正の請求
○連帯納付義務の廃止
○物納手続きの簡素化
![]() 【地方税関係】
○個人住民税における所得控除の所得税との統一化
○法人の事業税・住民税に対する欠損金の繰戻し還付制度の導入
○法人事業税における外形標準課税導入
○個人事業税の事業主控除の引上げ など
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2003.08.18 |
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