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「相続時精算課税制度」の認知度はわずか10%
  セールス手帖社保険FPS研究所では、「平成15年サラリーマン世帯生活意識調査」を7月から8月にかけて実施した。
  この調査は、首都圏50km圏内の子どものいるサラリーマン世帯を対象としたもので、サンプル数1,043件、対象となるサラリーマン(給与所得者)は、経営者・会社役員7.1%、会社員(管理職を含む)74.1%、公務員11.7%となっている。
  今回の調査で、今年施行された「相続時精算課税制度」について「65歳以上の親から20歳以上の子への財産の贈与について、2,500万円までの非課税額がある相続時精算課税制度をご存じですか」という質問をしたところ、「知っているし内容も分かっている」と答えたのはわずかに10%だった。
【65歳以上の親から20歳以上の子へ贈与の際の相続時精算課税制度の認知度】
65歳以上の親から20歳以上の子へ贈与の際の相続時精算課税制度の認知度
  今回の調査対象は、受贈者となりうる20歳以上59歳までのため、贈与する側である親の年齢(65歳以上)ではなかったものの、対象者はマイホーム(一戸建て)47.0%、マイホーム(マンション)18.5%と持ち家率が高く、こうしたお客さまに対して「相続時精算課税制度」の情報を提供することは有効であるとみられる。
〔参考〕従来の贈与(暦年課税)と相続時精算課税制度の比較
 
従来の贈与(暦年課税)
相続時精算課税制度の比較
贈与税の計算
(贈与額−110万円)×累進税率
累進税率は10〜50%の6段階
(贈与額−2,500万円)×20%(一率)
住宅取得資金贈与の場合は
(贈与額−3,500万円)×20%(一率)
贈与税の条件
だれでも
65歳以上の親から20歳以上の子どもへの贈与(住宅取得資金贈与の場合は親の年齢制限なし)
相続税との関係
相続税とは切り離して計算
(相続開始前3年以内は加算の対象)
相続税の計算時に贈与税は精算される。
精算時の贈与財産の評価は贈与時の時価
贈与税の納税
暦年単位で計算し納税
暦年とはその年の1月1日〜12月31日
特別控除2,500万円を超えた贈与時ごとに納税し、相続時に精算する
相続税の節税効果
贈与税の基礎控除(110万円)は毎年使え、この部分は非課税となる。相続時も相続開始前3年内の贈与でなければ相続税の対象外
相続時に相続財産と合算する贈与財産の価額は贈与時の時価なので、相続時に評価が上がっているものは、相続財産が圧縮できたことになり節税効果あり
大型贈与の可能性
数年にわたり多人数に可能。ただし、相続開始前3年以内は加算の対象
2,500万円の非課税枠があり、大型の贈与がしやすい(住宅取得資金の場合3,500万円)
制度の移行
従来の贈与の適用後、相続時精算課税制度への移行は可能
相続時精算課税制度を選択した後で従来の贈与への移行は不可能
※相続時精算課税制度における贈与の条件年齢は、贈与の年の12月31日現在に満年齢。
2003.09.08
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